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30話-4
「全く…手を煩わせてくれる」
-カチンっ-
その時、僕は男への…拳銃の脅威は全くと言って感じていなかった
それ以前に身体が一つの方向に動いている様な感覚が僕の全神経が感じた
忘れかけていた
稽古の日々…
それが…実となり
実戦に置いて"俺"を突き動かした
『……』
-ブンッ-
俺の突き出した拳はいとも簡単に避けられた
しかし、それは次の攻撃への布石だった
俺は突き出した勢いを利用して
奴の足を蹴り払った
男が体勢を崩すと
美咲が跳び蹴りを喰らわせた
土壇場で打ち合わせも無しにここまでの連携が出来た事に俺は内心動揺した
男は床に叩きつけられたが
逆にその反動を利用してすぐに起き上がった
「…貴様ら…!」
「このッ!」
美咲は跳び蹴りの後、すぐに距離を詰めていた
そして、アッパーカットを奴の顎に打ち込んだ
いくら、武術を長い間習っていても
ここまでの事を出来るとは…
自分達でさえ戸惑っていた
だが、俺は容赦なくそのままミドルキックで追い打ちをかけた




