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29話-2
-パリィン!-
鋼鉄の弾丸は心の頬を霞めて
後ろの花瓶に当たった
「…貴方がこの距離で外すとは思えない…
これは…」
『…お前が避けようとすれば当たっていた
万一、外れても二発目を撃つ準備は出来ていた…
…お前の勝ちだな』
「そういう話じゃない…」
『お前は殺される覚悟があった
それだけで充分だ』
「…それで、満足なの…?」
『心境の変化ってヤツだ
シンジが…見せて…教えてくれたんだ
復讐の果てには何も残らないって事を…』
「………」
『…さて…
じゃあ、一緒に行かないか?
あの子を止めに』
「…うん」