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26話-6
『あ……ああ……絆ぁ……ぁ…あ…あ』
絆と過ごした日々が…走馬灯の様に思い出されていく
初めて絆に会った思い出…
俺が名前を持ち、絆に名前をつけた思い出…
一緒に夜まで話した思い出…
怖くて眠れないといって一緒に寝た思い出…
喧嘩した思い出…
仲直りした思い出…
…色んな思い出…
『だけど…絆はッ……
死んでしまった…
俺が……殺したから…』
(確かに…絆は殺してくれと言った
だけど…
だから殺したんじゃない……
俺は……死にたくないから…殺した…
それは…多分責められる事は無い…
けど…それは…自分の命と…絆の命を天秤にかけたって…事…
最期の瞬間…
一瞬…絆が止まった…
あれは…多分…絆が…絆の自我がそうしたんだ…
それに自分を殺してくれって…
その時点で自分の命より…俺の命を選んだって事じゃないか…!
なのに…俺…は……!!)
俺はとっくに涙を流していて
気がつくとすでに涙は枯れていた
そして、しばらくしてそのまま倒れる様にその場に崩れた
その直後、通信機に着信が来た




