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3話-1
…世界は汚れていた
…いや
歪んでいた
やっぱり…そうだったんだ…
あの時…僕が思った通り…世界は歪んでいた
だって……!
君は泣いてるじゃないか!
…僕達はこんなに近くに居るのに…
君をとても遠くに感じる…
…半壊した校舎
血に塗れた屋上…
ただただ…何も出来ない…
無力なだけの僕
…真実に気付き
泣きじゃくる君…
そして…
「………………!!」
君の言葉が突き刺さる…
そう…僕は…
僕は…僕…は…
…何も出来ない
僕が俯いて何も言えなくなると
君は言った
「…………………、
さようなら、シンジ君」
そう言うと君は屋上の床を蹴った
僕は君を止めようと手を伸ばすけど…
…何故だろう
届く気がしない
その時、それまで過ごした日々がフラッシュバックの様に頭の中に流れて来る
『ミィィィィィ…
-ドシャッ-
…コォォォッ!!』
……
血に塗れた屋上に
僕はただ一人そこにいた
『……どうして…だよ
こんな事なるなら…
どうして…!
君に…また出会ったんだ!
…教えてくれよ、
……ミコ』