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26話-1
『きず……なッ!!』
俺は無意識にBLIND-SYSTEMを解除していた
銃口は絆に向けたまま
手は震えていた
絆は鋼鉄の翼を盾にしながら俺を見つめていた
よく見るとその翼は何らかの機械のように見えた
鋼鉄の翼と言うより機械の翼…
その事に気付いた時だった
絆は視認不可能な速さで俺の懐に飛び込んだ
俺は想定外の出来事に…銃口よりも内側にいたので成す術無く
絆は俺の喉元を掴みそのまま持ち上げた
彼女の華奢な体つきからは想像もつかなかった
絆の右腕で首が段々と締まっていく
俺は何も出来ず体が力なくだらんとしていた
(俺は…死ぬ…のか?
妹に…殺さ…れるの……か……?)
ギリギリと絞まっていく首を感じながら俺は右目から涙を流していた
そして、その潤んだ目で見下ろすと
絆の左手が変形していくのが見えた
バキボキと言う音を発しながら
鋭く…鋭く…絆の手は刃物のようになっていた
その瞬間
俺は直感した
(俺を絞め殺す気じゃなく
その左手で俺を貫く気でいるんだ…絆は…)