134/188
25話-3
『き、絆……』
「………」
俺はそのまま抱きしめようと手を回そうとした
その時だった
「ねぇ……お兄ちゃん」
『なんだ?絆…』
「お兄ちゃんは……私の事……妹だと…
本当の兄妹だと思ってる?」
『ああ…思ってるよ』
「だったら…約束して…」
『約束?』
「うん…」
『なんだ?』
「…私に…
次に会ったら…
…私を殺して」
『え……きず…』
「もう…駄目ッ!!」
-バシィインッ-
『…な……ッ…!?』
自分でも何が起こったのかわからなかった
ありえない方向から強い衝撃を受け
俺はその場に倒れ、
気を失った
「……ごめん…お兄ちゃん
…私は……」
絆の体がガクガクと奮えている
背中の服が破けていた
力無くだらんとした腕の骨がミシミシと音をあげた
「…まだ……ここじゃ…駄目…」
そう言って絆は部屋から出て行った
絆は閉まるドアから蒼真を見て言った
「さようなら…お兄ちゃん」
絆の左目の瞳孔が開き
それが何故か赤く変色していった