24話-5
「兄妹、か…」
『ああ…俺は兄貴だから……妹を守らないといけないのに…守れてないから…』
「…大丈夫、蒼真はちゃんと守れてるよ」
『そんな事……』
「ほら、自分の服見て」
『え?』
俺は自分の服やその周りを見回した
すると後ろの裾を絆が握っていた
「無意識にするそういうのって…頼られてるのと同じ」
『…そうかな』
「蒼真はちゃんとお兄ちゃんやってるもの…」
『俺が…?』
「うん、それにほら
絆って名前も蒼真が付けたんでしょ」
『それは…絆が俺につけてくれって言うから…』
「その事に意味があるの
それに絆っていい名前だし」
『そうか…それは…よかった』
「蒼真と絆ちゃんの間にあるモノ…なんでしょう?絆って」
『俺は…そう思ってる』
「いい事だね…」
『俺は……絆はまだ12だ
…もっと色んな事を知るようになるし
色んな物を見るようにだってなるはずだ
俺は……絆のそれを……なんて言えばいいのかわからないけどそれを守りたいんだ』
「それは多分……」
心が立ち上がって言った
「絆ちゃんの"未来"かな?」
『…わからない』
「…でも、多分そう言う事だよ」
心がドアを開いて外に向かう
絆はもう大丈夫なんだろう
「…あーそうそう言いたい事あったんだ」
心の足が止まった
『何?』
「蒼真だってまだ14でしょ!」
『…お前もな』
第24話 兄妹