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24話-4
『…くっ』
(俺は無力だ…
どんなに力を持っていても…
その力を扱えないなら…
それは無力でしか無い…)
「…でも、ね
絆ちゃん…少しずつだけど…ナノマシン…コントロール出来るようになったみたい」
『それって、どういう事だ?』
「体中の有益なナノマシンはフル稼動すれば
多少の傷はすぐに塞がったり
病気もほとんどかからなくなるの」
『それ以外は?』
「有害なモノ…
…現実には必ずしも有害なナノマシンなんて存在しないのだけど
機能を停止する
実験段階の…よくわかってないナノマシンはどうなるかわからないけど、コントロール出来るようになったら絆ちゃんはこんな事にはならないよ」
『本当か?』
「うん
…実は絆ちゃん今その研究の…実験体になってて…
上手くいけばそうなるよ」
『へぇ…そうか…』
そっけなく振る舞ったつもりだが、内心嬉しかった
それを心は見破っていた
「…自分の事じゃなくても嬉しいんだね」
『!!
ま…まぁな……
……血は…繋がってなくても俺達は兄妹だから…』




