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23話-2
『生きていたさ…
妹を殺してね…』
「………」
『…あの日の事、忘れた試しが無い』
「絆の事…まだ引きずってるの…?」
『……いくら、あの子をあんな風にした奴らを憎んでも……
結局、殺したのは俺だ』
「蒼真……でも、それは仕方がなかった事だと…」
『仕方がなかった?!
…そんな訳あるかよ…
もし、そんな言葉で済むなら…なんで…俺達は……』
「蒼真…だけど…!」
『心……お前は嫌じゃなかったのか?』
「………」
『…お前は…確かに成功したから…よかったかも知れないけど…"被験体"でよかったのかよ?』
「……っ……」
『俺や…お前……絆
…それに……俊一や華歩に誠治…
俺達みたいな…子供がいてよかったのか?!』
「……うう」
『お前だって…成功してなきゃ…俊一達みたいに死んでたっておかしくなかった……』
「わかってる…けど…」
『けど?何だ?』
「けど……蒼真には会えた……」
『………だからって』
「…わかってる」
『それでよかった訳…無いだろ』