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22話-1
兄貴は、多分ヤバイ仕事してる
その事はなんとなくはわかっていた
ただ、詳しくは知らないし
直接聞かなかった
それは僕なりに兄貴に遠慮してたって事だと思う
だけど、
昨日助けてくれたのが兄貴なら
そうだと言う事がはっきり証明されたんだと思う
だから…今日の朝聞く事にした
『兄貴…おはよう』
「ん
今日は早いな」
『まぁ、ね』
あんな事があって体は疲れていた
けど、眠れなかった
『ねぇ、兄貴…』
「うん?」
『兄貴は……仕事何してんの?』
「……聞きたいのか?」
『…昨日みたいな事があってね…
せっかくだから…さ』
「そうか………
……情報屋だよ」
『情報屋?』
「ああ…こんなご時世だ
表に流れる情報以上に裏に流れる情報は貴重で
そのために金を出す人間や組織だっている」
『兄貴は…その…情報を売って?』
「ああ、一つの仕事をこなせば
結構な稼ぎになる
お前一人くらい養える」
『…その仕事って…どんな内容なの?』
「…あんまり聞かせたくない話なんだがな…
まぁ、せっかくだから話すよ」