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21話-5
二人の住むマンションに着くとそこまでと言う事になった
『じゃあ、また明日、ミコ』
「うん、また明日」
僕が帰ろうとすると兄貴が少し考えて言った
「では、美羽さん…
また、近いうちに会いに行きますよ…
俺、持病持ちなんでね…
ナノマシンでなんとかしてもらいたいので」
「…!
……ええ、いつでもいらしてください」
そう言って僕らは分かれた
…帰路
『なぁ、兄貴』
「なんだ?」
『美羽さん…と兄貴って知り合いなの?』
「……どうだろ?」
『…もし、そうだって言うなら…教えてくれよ…
僕が子供の頃会った…
ミコの姉の名前は…霧生 心って言うんだ…
苗字は親の都合や結婚、離婚とかで変わるかも知れないけど…名前は改名でもしなければ違うだろ?』
「……シンジ、それは俺からは言えない
多分…自分で知る必要のある事だ」
『そうなの……?』
「…ああ」
『じゃあ、今日助けて来てくれたのは……兄貴?』
「…偶然だよあれは
…そう、何もかも偶然だったのかもな…」
『え?』
「…こっちの話だよ」
こうして、僕の長い一日が終わった
しかし、それは…
真実を知る為の試練の一つに過ぎなかったのだ
第21話 美羽




