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21話-4
「そう…ですね…」
『あ、兄貴…?』
「…シンジ怪我大丈夫か?」
『あ…ああ…』
「そうか、ならもう帰らないとな…こんな時間だ…」
兄貴は携帯を取り出し時刻表示を見せた
時間はすでに夜の11時をまわっていた
「明日も学校あるんだろう?」
『まぁ…ね』
「よし、じゃあ……
と、その前に……ところで美羽さん」
「あ…は、はい…」
「妹さんと一緒に…送って行きましょうか?
こんな夜道じゃ心配なんで」
「……そう…ですね」
美羽が渋々言った
(…この二人…知り合いなのか?
だけど…なんか他人っぽく振る舞って…どんな関係なんだ?)
四人で帰り道を歩いていた
ミコは背中が破れているので美羽の白衣を借りて着ていた
誰も何も話さず…
気持ち悪い空気が流れていた
だが、
不思議と嫌悪感は感じなかった
むしろ、懐かしい感じがした…
以前にこうやって四人でいつも居た様な…
でも、それはきっと気のせいだ
…そんなはず無いのだから




