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21話-1
「それより、シンジ君こそ怪我してない?」
『え?
大丈夫だよ…』
「でも右肩が…」
『右肩…?』
右肩…力が入らない…
叩きつけられたからか…
(だけど、見ただけで分かるのか?)
その時だった
「ミコ!」
「あ…お姉ちゃん…」
ミコがお姉ちゃんと呼んだ女性…それは確かにあの時見た……"霧生 心"だった…
『……!』
「あ、シンジ君…
私のお姉ちゃんなの…」
『あ…ああ…』
「えっとはじめまして…
…っ!」
(なんだ…?今の反応……)
『えっと……桐生…シンジです…』
「…あ
私は…ゆ…優海…美羽よ」
『…優海?』
確かに彼女の左胸に優海 美羽と書かれたネームプレートがある
「え…ええ…お、親が離婚して苗字が私とミコは違うの…」
『はぁ…』
(…優海なんて苗字…
兄貴以外で聞いた事無かったけど…
もしかして…兄貴の親戚?)
「それより、ミコ怪我は?」
「無いよ
それより、シンジ君が……」
「え?」
『ちょっと肩が……』
「わかった、私の勤め先の病院に行きましょう」




