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20話-5
先程まで僕を追い詰めていた男が
正体不明の何かによって追い詰められている
その光景に僕はア然としていた
男が斬撃を受けてしゃがみこんだ
その時、どこからか声が聞こえた
「…行け、シンジ」
『?!!』
僕はその意味を理解するのに三秒ほどかかった
だが、その後は言われた通りにした
男はシンジの事は放っておいた
最優先事項では無いからだ
(…それよりは身の危険のほう…)
「…貴様…BLIND-SYSTEMを…!!」
男は"それ"が居るだろう方向に向けて発砲した
しかし、再び男に斬撃がはしった
「くっ…!」
『…お前は何故シンジに手を出した?』
「シンジ…さっきの少年の事か?」
『………』
「……フン
こちらの質問には答える気が無いようだ」
『……お前はシンジを狙った訳じゃないそれだけで十分だ』
(…どうやら、相手は銃のほかにレーザータイプのナイフを所持しているらしい…な)
男は冷静に状況を整理していたが、
自分が圧倒的不利にある事を感じていた
『…!』
「…!」
その時、サイレンの音が聞こえた
恐らく周辺住人が通報したのだろう
『…対応が早い…引くか…』
男はどうやら命拾いをしたようだった




