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19話-2
「どうして?」
ミコが上目使いで僕を見ていた
『…だって…僕は…
本来の自分じゃない…じゃないか…
本当じゃない自分が…本当の気持ちを語るなんて…!!』
「…それは違うよ、シンジ君」
ミコは顔をあげて僕を見ていた
『……え…?』
すると、ミコは今度は僕の頭を自分の胸元にやって抱きしめた
僕は気絶しそうになった
「シンジ君は…シンジ君だよ
いくら変わったって…
真ん中にあるホントのシンジ君は……ずっとシンジ君だから…
例え、今のシンジ君が嘘でも
シンジ君の本当の気持ちは本当なんだから……」
『みっ…ミコ……』
(涙はとっくに渇いたはずなのに…
また涙が…溢れ出しそうだ……)
「…だから…シンジ君はそんな事心配する事は無いんだよ」
僕はたまらず顔を離した
ミコは一瞬キョトンとして
笑顔になって言った
「ね?」
僕は顔が真っ赤になりながら
『…ミコがそういうなら…
そう思う事にする…』
と言った
するとミコは悪戯っぽく笑いながら
僕の頭を撫でた




