102/188
19話-1
-ドサッ-
僕は何が起きたのか判らなかった
目を恐る恐る開けるとミコの頭が僕の胸元にあった
ミコが抱き着いたのだ
「…わ、私も……」
『…え…?』
「し……シンジ君の事が…大好き!!」
その言葉を聞いた瞬間
僕の心の中の何か…
固い…器のような何かが
音をたてて壊れた
そして、中から何やら暖かいモノが…
溢れ出して
僕の体に染み渡るのを感じた
僕が気付いた時には
僕は涙を流していた
その涙は
緊張の糸が解けた事を意味するのか
感動して流したのか
僕にもわからなかった
ただ、僕は
ミコをそのまま
強く抱きしめた
なんだか泣いている自分を見られるのが恥ずかしくて
僕は声を殺して泣いた
けど
体の震えは止められなかったから
多分、ミコは気付いてただろう
…涙をひとしきり流して僕は心の内を不意に話し始めていた
自分でも不思議だった
とても素直な気持ちになっていたのだろう
『……本当は…
僕にそんな資格無いって思ってた…』




