プロローグ
この作品は十年以上前にGREEで書いたものの転載になります。
また、先立って投稿した『Silent night』のパラレルワールド軸の作品となります。
…退院して数日が経った
僕は我慢出来ずあの子のお見舞いへ向かった
…入院して数カ月の間
同年代はあの子ぐらいしかいなかった
始まりは少し奇妙な縁だった
あの子と話していると楽しかった
学校の友達と比べモノにならないくらい
退院して、
会えなくなって…
日々がつまらなくて仕方なかった
…今思えば…
それは好意と言う感情にあったのかも知れない
あの子の病室の前…
僕はとびきりの笑顔であの子に会おうと思った
深呼吸して病室のドアを開けた
…先程の決意は脆くも崩れた
病室のベット…
あの子は居た
けど、顔に白い布が掛けられていた
僕がその意味を理解するのに一体どれだけの時間を要しただろう?
あの子の姉が僕に気付いて、
話しかけていた
彼女が僕に話したのは信じたくない事実だった
僕はその後
ふらふらとあてもなく歩いて行った
気がつくと病院の屋上…あの子と初めて会った場所に居た
僕はその事に気付くと…
崩れて泣き出した
…僕の昔の記憶
苦い…
とても苦い…
…失恋の記憶