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第八話 三人から二人(前編)

遅れてすみません

「そっそんな結末かよ」

と笑いながら立川、完全に気絶していた事を忘れている。しかし外傷は残ってい

た。頭からもぐらの頭が少し出ている見たいに。

あの後、神崎がじゃんけんは運まかせだ。と言ったが話し合いでは決まらず結

局じゃんけんになった。先に五回じゃんけんに勝ったほうが紙芝居の出し物を決

める。だが……。

「それがあのでかぶつの弱点なんだよ」

と立川は言った。その通りだった。昌に五回連続で負けて、桃太郎と決まったのだ。

その時の昌の勝ち誇った顔で見下していた。まさか、じゃんけんが弱い奴がいるとは思わなかったよ。

「それにしても、笠原さんおもしろいなぁ、あの二人に割って入れるとは」

「そうかなぁ。そんなことはないとは思うけど」

その質問に疑問を感じているようだった。

そして途中で立川と別れた。一応病院に行くらしい。

「沖田君、明日も11時によろしくね?」

「いいよ暇だし。料理するの楽しいしね」

約束通り二週間に一回くらいで料理を教えてた。

「ところでなんで料理が好きになったの? なんというか。私は嫌いじゃないんだ

けど好きになれなくて……」

「九歳でケーキを作った時だったかな」

「えっ間違いなく本当に?」

声が裏返っていた。

「驚き過ぎだろ」

「歳聞いてなんかびっくりしちゃっただけ。詳しく聞いていい? その話」

なぜか俺は素直に頷いた。

「それは……」


小学生四年の夏休みの昼頃に、突然昌が家に来て

「バースデーケーキ作れ、明日までな」

「なんでだよ、三月のお前の誕生日に作っただろ」

あの時は昌が納得するケーキになるまで作った。そのおかげで春休みのすべてが

潰れた。そのおかげか自分で言うのも変だが、かなりおいしいと思う。でも料理

に興味がなく父親から他にも作り方を覚えろと言われて色々できるが、正直めんどくさい。

「友達にあげるの」

「自分で作れよ」

「なめてんのか。できないから頼んでいるんだろ」

と、真面目な顔で怒っていた。

この時は堪忍袋レーダがまだないので、どの程度怒っているのかわからなかったのだ。

「わかりました」

結局は従うしかない運命。

めんどくさいと思いながら作り始めた。卵を泡立ている途中で昌が

「徹」

「何?」

体ごと振り向いた瞬間、腹あたりを蹴られた。今までに昌に蹴られたのはこの時

だけだ、

「痛っ、何するんだよ」

と言いながら昌を見ると、涙目だった。

「何だよその雑な作り方、もういい」

と言って、走って帰ってしまった。俺は黙って見ているしかなかった。

昌はいつも命令口調だけど、本当に自分にできない事しか頼まないのに。しかも誕生日の

ケーキを適当に作ろうとしていたなんて、特に昌に言われたから心に深く刺さっ

たのだろうか。




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