第六話 電話
書くの遅れてすみません。
俺は笠原の家にいる。笠原はいないので、彼女の兄と二人きりだ。先ほどから質
問されまくっている。
「沖田君は部活は何をしているんだ」
「部活はしていません」
突然血相を変え顔を近づけて、
「なぜしないんだ。君には夢中になることが何かないのか」
「いっいっ家で店の手伝いがあるので、出来ないんです」
慌て言う。
「それならしかたがないな」
落ち着いたか、驚かすなよ。
「何の店なんだ」
「定食屋です。料理が得意なんで手伝っているんです」
驚いた顔をしてまた顔を近づけてきた、
「本当か!」
嘘ついてどうするんだよ。
「・・・はい」
「兄ちゃんどうしたの?」
笠原がちょうど戻ってきた。私服は初めて見るが、やっぱりかわいい。
「実はなこの男料理が達者らしい」
達者て、いつの言葉だよ。
「本当、私に教えてよ」
そして、笠原の兄ちゃんも
「こちらからもお願いします」
とても真剣に言われので、
「わかりました。」
としか言える状況ではなかった。でも教えるのを口実に、笠原の携帯電話のメー
ルアドレスと電話番号を聞くことができた。良い事があれば、悪いこともある、
笠原の兄から、
「俺にも電話番号を教えてくれ」
と言われて断れず、教えた。世の中よく出来ているものだ。
制服を乾燥機で乾かしてもらった後も、料理の話しなどをしていると、7時過ぎ
だったので帰ることにした。借りた服は、洗って返すとことにして持ち帰る。
帰ってから少しして、携帯電話が鳴る。名前を見ると一朗さんだ、つまり笠原の
兄貴。さっそく電話かめんどくさいなぁ――。
「はいもしもし」
「笠原の兄です、玉ねぎを切るとなぜ涙がでるだ?」
を十分間くらい話しをした。結局は、理由はわからないということを説明しただ
けだったのだが。電話の最後に不安げな声で、
「ところで妹が迷惑かけてないか?」
「そんなことはありません」
本当の事は言わないほうがいいだろう。
「悪いが妹の事くれぐれもよろしく頼む」
「はい ・・・・・・。わかりました」
「ありがとう」
なぜか俺には最後の「ありがとう」の声が、震えているような気がした。それに
しても「くれぐれも」なんて、小さい子供じゃないんだから。なんかおかしい、
なんだろ。まあいいか。
前にアドバイスを頂きましてうれしかったので、もっとしてほしいです。




