僕…は犯罪者
鼠の穴の前に大根おろし
正しい事は何一つやってこなかった。
スリや万引き、いじめや詐欺とか色々。
けど、刻まれた罪の意識は酷く苦しかった。
手が犯罪に染まっていくのが耐えられなくなった。
嘔吐しそうな程、気持ち悪かった。
鼠のようにすり減っていく精神。
頑張って更生、なんて今さら遅いだろう。
陰鬱な気分で明日も過ごしていくんだ。
□
そういえば、昔の僕の家のおとなりさんは優等生だった。何時も彼と比べられて、僕は彼の事が嫌いだった。都合のよい言葉ばかり使う両親に嫌気が差して家出したこともあった。
だけど、今思い返せば彼は困ったときは助けてくれたし、良き話し相手、友人。いい人だった。家出したときだって真っ先に見つけてくれた。
でも昔はそんな態度が嫌で、「憐れんでいるんだ」とか「僕を見下して優越感が好きなやつ」とか思ってた。
…そんな事がなければ今も、すぐに見つけてくれたのかな。
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将来どうなるか、昔は興味なかった。
憎まれ口ばかり吐いて、人に当たって。
ただのクズで、馬鹿で、どうしようもなかった。
苦境に立たされてようやく理解した。
何をしても、罪は償えないということを。
生きる気力が失せてきている、今日。
窓の外にはあの大きな化石が生えている。
これを見ているなら、早く僕を
読んでくださりありがとうございます。
違和感はそんなになかったと思ってます。
気づきましたか?