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あなたは次期魔王候補に選ばれました  作者: coffeeゼリー
第1章 今日から魔王候補!
4/17

第4話 16歳とは思えないオーラ

いよいよ魔王選定戦が始まります。

お暇な時にどうぞ

 こ、声が出ない…



「どうしたの…ねぇ!ねぇ!」

 リリンの呼び掛けに反応することも出来ない。



 体が動かない…!この状況…ど、どうすれば…!



 咄嗟にリリンが俺の右手を握る。



 その瞬間、金縛りのようなものは解け、俺の体は椅子へと投げ出される。



「ハァ…ハァ…助かった。ありがとう、リ…」

 俺の感謝の言葉は笑い声に掻き消される。


「アハハハハハハ!なに今の!ただ立って口開けて

 座っただけじゃない!」


「フッ…ハハハハ!」



 ロリっ娘、マイヤ・レヴィヤタンが笑いだしたのを皮切りにそこにいるほぼ全員が笑い出す。



 嘲笑、失笑が入り交じった笑いを聞いて改めて自分が余所者であることを思い知らされる。



「誰かに嵌められたんだ!」等と言えるはずもない。証拠が無い。



 俺が黙って耐えていると、



 隣で何か巨大な力が動き出していることに気付く。俺はついさっきまで普通の高校生だった。



 そんな俺でもわかる。リリンから放たれる圧倒的なプレッシャー、殺気のようなものを感じる。空気が震えている!



 リリンが立ち上がり目を見開くと、



 バゴォッ!

 鈍い音をたて、机に、部屋全体にドデカイ亀裂が入る。



「彼には私が付いてるってことを忘れないでよね!

 私は彼を、リリイを最高の魔王にするわ!」



 リリンの顔は怒りで満ち、その場の全員に緊張が走る。



「リリン、落ち着きなさい。皆、リリイ君も

魔王の魂(サタンズソウル)』に選ばれた者だ。元人間といわず

 歓迎してあげて欲しい」



 魔王様がそう言ってこの場を収めてくれた。



 リリンは座り、指を振ると部屋が元通りに戻っていく。



 リリンが庇ってくれた…



 散々な出来事だったがこの事実は嬉しかった。



 その後、顔合わせ会は他候補者が理想の魔王像を語り、本題へ移る。



「さて、では魔王選定戦の概要を話そうではない

 か」



 魔王選定戦 概要


 1、候補者はそれぞれ領地を与えられ、3年間その領地を運営する。


 2、1終了時に全魔族により投票が行われ、次期魔王を決定する。


 3、自領地の領民の領主への投票は2票分となる。


 4、候補者同士は「領地拡大戦(グレート・ゲーム)」により領地の拡大が出来る。



「以上のように、これからの3年間で実際に領地を

 運営して、魔王の資質があるものを選ぶ、これが

 魔王選定戦だ」



「君たちの健闘を期待しているぞ」



 会の最後にそう言って魔王様は俺に微笑みかけてくれた。



「いやぁ災難だったねぇ」

 会が終わった途端話しかけてきた。



「えっと、ヒュプノー・ベルフェゴールさん

 ですよね?」



 リリンとこの娘は俺を笑わないでくれた。良い悪魔だ!



「ヒュプノーで良いって!私達みんな同い年だよ?」



「ま、まじすか…」



 全員が明らかに16歳とは思えないオーラを放っていたが…



 そこで思い出す。



「リリン、さっきのって魔術…なのか?」


「いいえ、あれはまず間違いなく『魔王の魂(サタンズソウル)』の

 能力ね」


「この私が魔力の動きに気付かなかった…」



 ヒュプノーも横で頷いている。



 能力、つまりここにいた候補者の誰かが俺を狙って…



 そんな事を考えていたら、肩に手を置かれる。



「さっきは笑ってすまなかった!君の動きが

 面白くてついな!」



「俺はドラク・バアルだ。ドラクと呼んでくれ」


「ど、どうも。リリイ・エリエです」



 頭ひとつ抜けた長身で近付かれると胸筋しか目に入らない。



「何の用?ドラク」とリリンが聞くと、



「リリイ君、君に領地拡大戦(グレート・ゲーム)を申し込む」


「なっ…俺!?」



 領地拡大戦(グレート・ゲーム)とは、候補者同士がお互いの承認の下に設定した決闘を行い、勝った方が領地を拡大することが出来る、というもの。



「期日は1週間後、決闘内容はシンプルにフラッグ

 バトルでどうだ?」


「待って下さい!何で俺なんかと」


 それを聞いてドラクはニヤリと笑う。

「君を知りたい」


「君には覇気がない。何故君が選ばれたのか、それ

 を見せて貰いたい」



「いいじゃない。リリイやれば?」とリリン。


「面白そう〜」とヒュプノー。



「他人事やめて!俺が勝てるわけないだろぉ!」


「もちろんだ。君では俺に勝てない」



 うっさいわぁぁ!!



「決闘を行うには互いの承認が必要だ」


「だから俺にはハンデをつけよう」


「俺は能力を使わない。最上級、超上級魔術を使わ

 ない」



 これでどうだ、と言わんばかりに挑戦的な目を向けてくる。



 ここまで言われたら…ね…



 それに、この人も悪人に見えない。



「わかりました、その挑戦受けます!」



 こうして1週間後のドラク・バアルとの領地拡大戦(グレート・ゲーム)の開催が決定した。



 そして地獄の特訓が始まる。



 そういえば、俺の名前…普通に受け入れられてたな…

次回!地獄の特訓!

次回はリリン眷族の面々も登場して、いよいよ本番です。

第5話もよろしくお願いします。

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