第1話 俺はこの瞬間人生の勝利を確信していた
お暇な時にどうぞ
一部内容を修正しました。
俺、諏訪一輝は至って普通の高校生だ。
突然だか、今日で俺の童貞は終わるらしい。
状況を説明しよう。
放課後の空き教室。目の前には今日転校してきたばかりの転校生、魂持魔子がいる。
彼女の見た目を一言で言うならば、天使のようだった。
長い金髪、気品のある立ち振舞い、スラッとした見た目に反して制服を激しく押し上げて主張してくる胸、そして人懐っこく笑う顔はとてもチャーミングだ。
その彼女が俺をこの空き教室へと呼び出した。
俺が空き教室へ行ってみると彼女は服を脱ぎ始めていた。
そして今に至る。
「ちょっ!な、なな何してるの!?」
慌てる俺を無視して彼女は脱衣を続ける。
あっという間に上半身が下着だけになった彼女は俺に向き直る。
下着に収まりきらない豊満な胸についつい目がいく。
さらば童貞よ、16年とちょっとの付き合いだったな…
俺はこの瞬間人生の勝利を確信していた。
「ま、魔子…さん…」
「初めてだから…優しくしてね…?」と続けようとしていた俺の声を遮って、
「私の名前は魔子じゃないわ。」
そこで一呼吸おき、妖しく笑う。
「私の名前はリリン・サタン。現魔王の娘よ」
そう言うと同時に彼女の背中から蝙蝠の様な翼が生えてくる。
「へっ?」
まず驚きがきた。
遅れて恐怖がやってくる。
動けないでいる俺に、彼女は笑顔を崩さず、一歩また一歩と近づいてくる。
に、逃げなくては!彼女は天使なんてもんじゃない!この見た目はまるで悪魔…!
俺は叫びたい気持ちを我慢して背後の扉へと駆け出そうとした。そこでようやく扉の前の存在に気づく。
扉の前には山羊頭の赤黒い服を着た長身の男が立っていた。当たり前の様にこの男にも立派な翼が生えている。
「おわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
突如現れた謎の存在に驚き、たまらず声が出てしまう。
するとその男?が、
「ハッハッハ、驚かせてしまって申し訳ないですな」と笑いながら謝ってくる。
「のわぁぁぁぁぁぁ!しゃべったぁぁぁぁぁぁ!」
「驚きすぎよ…」
いつの間にか背中まで迫っていたリリンと名乗った女の子が呆れながら言う。
山羊頭が喋ったんだ!驚かずにいられるか!
「落ち着いて聞きなさい、私達は悪魔。あなたを
迎えにきたのよ」
「悪魔が俺に何の用でしょう…か?」
緊張で思わず喋り方も敬語になってしまう。
するとリリンは改まって一言、
「あなたは次期魔王候補に選ばれました」と言った。
悪魔?次期魔王?一体何を言っているんだ?
面倒事の予感がする…それだけはわかった。
時間がある時に書いて随時更新していきます。