プロローグ
小説自体初めて書く(初めてでいきなり連載はどうかと自分でも思います)ので、いろいろとおかしな部分もあると思いますが、読んでくださると嬉しいです。
“普通”とは何だろう。俺は、考えとして多数であるほうが“普通”であると認識されていると思う。例えば、魔法とかは、使えないことが“普通”である。もちろん俺も“普通”に魔法なんて使えない。しかし、“普通”というものは大衆的にはそうでも各個人では、それが変わってくることもある。その点では、この俺 源野 実幸の人生は少し“普通”ではないかもしれない。
大暑の白昼、サウナのような空気に、歪んで見えるアスファルト、そして蝉達の鳴き声が雑音となって響き渡る・・・そんな地獄のような気候の中、俺は夏休みにもかかわらず、大学のキャンパスにいた。そしてこの酷暑を恨みながら、【井元大学 文化学研究室】と書かれた教室に入る。
「お、来たか歩く心霊スポット」教室に入るなり仁哉が俺に声をかけた。
「誰が歩く心霊スポットだ。こんな暑い日に呼び出しやがって。俺だって用事があるんだよ」
「悪いって、でもお前の力がいるんだよー、僕のレポートが間に合わなくなっちゃうんだよー」と軽い調子で言う。全然悪気ないだろお前。「とゆうか、お前も暇なんじゃないの? お前が外出しるときって、君の友達が遊びに誘うときと週一で武道の練習しに行くときと大学に行く時しかないだろ」・・・痛いところを突かれた。「お、俺だって外出するときだって・・・「コンビニやスーパーへの買い出しは外出とは言わないぞ」・・・図星で何も言えなくなってしまった。
―――――――――――――――――――――――― 「・・・お前ってほんとにいろんな現象に巻き込まれてるよな」
「ああ、まぁお前と高校のときに行った肝試し程の事はないけどな」
「あれは酷かったな、僕も悪霊に追いかけられたときは死ぬかと思ったよ、でも一番怖かったのは、帰ってからお寺の寺門さんに叱られたときだな」
「そもそもあれはお前が肝試しをしようとしかけたからだろ?まぁ今となってはそれも笑い話だけどな。」気が付いたら昔話になってしまった。それに、教室の窓の向こうはすっかり紅に染まっていた。そろそろ帰ろうかと思っていると、「有山君、ちょっといいかな?」背後から仁哉を呼ぶ声が聞こえた。振り向くと、白髪で眼鏡をかけた年齢的に老人に入りかけたぐらいの男が立っていた。「あ、加藤先生! どうされたんですか?」仁哉が答える。なるほどこの人がこの学部の顧問か。この大学に入学して1年と3か月を超えて何度もここに来ることはあったが、実際に見るのは初めてだった。話が遮られる形となってしまったが、ちょうど良いタイミングだったため、「じゃあ、帰るわ」とだけ言って教室を後にした。
空は紅から紫に変わって、太陽は日中の暑さを置き去りにして沈んで行った。・・・肝試しの日もこんな感じだったな、とふと思い出す。そもそも悪霊に襲われたのも、俺がそういう不思議なものを引き連れてしまうせいであった。といっても肝試しの悪霊が例外なだけで、他には、ただの火の玉とか妖精みたいなのが飛んでるのが見えるくらいで生活に支障は全くない。また生まれたときからずっとそんな感じだったため、慣れたというよりもそれが俺の普通なのである。まぁ、親からは精神的な何かかと疑われて精神を鍛えるか何かで武道を始めさせられたが、効果はなかった。(結果として武術は得意になったが)・・・そうこうしているうちにアパートに着いた。自室の部屋の鍵を探していると、スマホに一件、メッセージが来ていることに気づいた。
「実幸、今日来てくれたばっかで悪いんだけど、明日の朝10時に大学に来てくれないか?加藤先生がどうしてもお前に会いたいって言ってるんだ。頼む」溜息をついて 今度ご飯奢れよ、と送った。
その後は、風呂に入って 夕食のカップラーメンを食べ、夏休みの課題を進めていった。途中、仁哉からの電話あったものの特別変わったこともなくベットに向かい、眠りについた。
読んでいただきありがとうございました。 連載は大分不定期になると思いますが、宜しくお願いします。