表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/40

千恵登場!

5時間目があと少しで終わるという頃


遠慮がちに開かれるドア。


「遅れました、すみません。」

そう言って何事もなかったかのように席に着く千恵。

先生も知っていたのか

「はい」と一言。


気にもせずに授業を進めた。


千恵ーっ。

大きな声で叫びたくなるもここは我慢だ。

振り返った千恵が私の顔を見て


ご・め・ん


と言ったのが解った。

私は少しだけ頬を膨らませ一瞬睨んで見せた後、精一杯の笑顔で深く頷いた。


心配したんだぞ、の意味を込めて。

千恵の顔を見てもやつれた様子もないし、きっとおばあちゃんも大丈夫だったのだろうと勝手に推測してみる。

もう少しで授業も終わりだから、聞かせてもらいましょ。


なーんて思っていたのに

授業が終わると千恵はそこにいなかった。


先生のところにでもいってるのか!とまた勝手に推測し、

そうだ!早速山田に知らせてやろうと廊下に出ると。


仲良さそうに2人で話す姿。


千恵。

親友より彼なのかよ。

私の方が付き合い長いのに・・・

???短いのか?

まあどっちにしろ嫉妬するのは私の方だった。


仕方なく自分の席に戻っていると、少しして千恵が前に座った。

「ごめんね、連絡しなくて。いろいろ揉めててどう転ぶか解らなかったんだよ。」


揉めてる?

どう転ぶか?


もしかして、引っ越しとかか?


慌てて顔を上げ千恵の顔を見た。

千恵はにっこり笑って私の思っていることが解ったのだろう。


「おばあちゃんも大丈夫、退院したんだよ。ただね、一人暮らしはまだ駄目って親戚一同反対で。お母さんが残る事になったんだ。とりあえず私は1学期が終わるまで従兄弟の家に居候になりました。」


「そっかぁ。おばあちゃん良かったな。それで従兄弟の家かぁ一緒に帰れなくなるな。」

ちょっと寂しかった。


「うん、さっき山田にも話してきた。」

少し顔を赤らめた千恵。


「うん、さっき見た。」

私が言うと


「だったら、声かけてくれれば良かったのにー」

なんていう千恵。


誰があそこに入れるかっての!

そんな図々しいのは大和くらいなもんだ。

ちょっとムッとした。


千恵はそんな私に気づきもせず、明日のことを話していた。


そう明日は花火大会の日だった。


私は、その前に今日の追試だ。

何となくだけど、やらなきゃかなと思い、テストを見直してみたりした。

公式だけはなんとなくだけど覚えた気がする。

今までだったら何もやらなかったんだから私にしては頑張った方かも。

陸君の怖い顔が浮かんできそうだったから。

英語じゃないんだからそんなことないって思うけど。


あーこんな事より部活してーぇ。


ちょっと憂鬱な気分になった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ