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千恵はモテモテ?!

何だろう。

やっぱり頭使うと体まで疲れるのだろうか。

こんなのだったら3倍動いた方がよっぽどいいのに。


重たい体を引き上げて目覚ましを止めた。


よし、今日は間に合いそうだぞ。


私は朝練の為いつもの時刻に支度を始めた。

昨日のこともあったので、念のためカンナに部室の鍵を預けたのだけど、また遅れてカンナに怒られるのも勘弁だ。


それより、昨日の陸君の

”シスコン”発言も気になったし、これ以上兄貴にも迷惑掛けられないからな。


おまけに今日から追試もあって只でさえ放課後の練習が減ってしまう。

朝練位は出ないとストレス倍増だ。


着替えを済ませると、いつものように立ちながらトーストをかじって、母さんに怒られて。


学校に着いたのは部活はじまりの5分前。

いい感じだ。


部室にカバンを置いてグローブを嵌める。

後輩達に挨拶をして、グランドに出ようとしたら大和に声掛けられた。


「おっす梓。今日は怒られなそうだな!」

いつもの事ながら、朝から一言多いんだよ。


「おっす、大和。」

大和に挨拶しながらも、もう目は康太を追っている。

早いなあいつら、もうアップしてるよ。

康太をみれば、健太も目に入る。

でも最近は健太も一緒に目に映ることが増えたような。

やっぱり、いつでも一緒に行動するからな。


「じゃあ、」

そういって今度こそグランドに駆け出した。


「今日はちゃんと来れたんだ。」

にやっとカンナが笑った。

ここにもいたよ、一言多いのが。


「おあいにく様、昨日だけです。」

憤慨だ。とばかりに軽く睨んでみた。

でもそれ以上は怖くて出来なかったけど。


やっぱいいよな。

朝からソフトできるなんて。

今日は天気も最高だ。

それなのに、放課後は・・・

毎日1教科づつ、それも5日連続だ。


それでもって、追試が終わったころあっという間に夏休みだもんな。

そういえば、昨日も千恵から電話は掛かってこなかった。

おばあちゃん大変なのかな。

山田には電話着てるのだろうか。

もしそうだとしたら。

山田に軽く嫉妬をしてしまいそうだ。


朝の楽しい時間は直ぐに過ぎてしまう。

キャッチボールの後、トスをして、軽くフリーをした。


ふと野球部をみると上がりのキャッチボールをしていた。

そろそろこっちも終わりにしないとか。


超名残惜しいがキャッチボールで朝練をしめた。

部室の鍵は当分カンナ持ちってことに。


教室へ戻る時、野球部連中と一緒になった。


「「お疲れ」」


そういって階段を昇っていると

「お前本当に勉強してたんだな。」

と大和に言われた。


「えーっ。それはありえないでしょ。」

大声をあげたのは、ソフト部の面々。


「俺が一番驚いたさ。」

そういう大和に里美が


「机で勉強するふりしてたんじゃないの。」

といって、みんなで笑い出した。

私だってそっちの方がよっぽどいいって、と自分で突っ込みたいほどだ。


「それがさぁ、昨日こいつの窓を叩いたら、超イケメンの男が出てきて”今、梓は勉強してるので邪魔しないで下さい”なんて言われてびびったのなんのって。」

大和の言葉に反応したのはカンナ達ソフト部。


「何、何。イケメンだって!梓いつの間に家庭教師なんて雇ってるのよ。今度紹介して!」

イケメンってあの腹黒おとこをね。


「イケメンかどうかは解らないけど、超ー性格最悪だぞ。頼んだのは頼んだけど、あれは雇ってるのかなぁ」


そういえば、あの暇人にいくら払ってるのだろう?

短期とはいえ、毎日うちに来て私の面倒みて。

時給に換算すると。

まあうちの財政じゃあ1000円がいいとこかなぁ。


後ろでガヤガヤ言っている奴らを尻目に階段を駆け上がった。


「なぁ。」

健太の声に振り向くと、その先に山田の顔が見えた。


「健太、悪い後でな。」

そう言って山田に駆け寄った。


「おっす、あれから千恵連絡あったか?」

山田の顔を見ると言わずもかな。


「お前のとこも連絡なしかぁ」


「実は俺も今日お前に聞こうと思ってたんだ。」

落胆した顔の山田。


「明日だもんな。」


「あぁ、でも今年は千恵の家あんなだし、浮かれてる場合じゃないってのは解っているんだけど。声ぐらいは聞きたいかな。きっとこんなことを思うのは俺だけなんだろうけどな。」

少しだけ口角を上げた笑いはそれはそれは哀愁漂うもので。


「そのうち連絡くるって。」

自分だって落ち込んでたのに山田を励ましている私って。


案外私に連絡あるかも?って私に嫉妬してたりして。

山田も可哀相なやつかもなんて一人怪しく笑ってしまった。












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