表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

32/35

過去との決別

 僕の事なんて興味がなかった、とロッド王子は言っている。

 だが私としては、何の話か分からない。


「……私は貴方の事が一番異性として好きだったわ」

「……嘘だ」

「どうしてそんな事を言うの?」


 まさかの言葉に私は衝撃を受ける。

 私はずっと、ロッド王子が好きだったのだ。


「私はロッド王子が好きで、そのための努力を欠かしませんでした。ですが、どうしてそのようなことをおっしゃられるのですか?」

「……気づいていないのか」

「何がです?」


 意味が分からずに聞き返す私にロッド王子が、


「アニス嬢、君は、オズワルドと一緒に居る時が一番生き生きしていた」

「……は?」

「オズワルドを追いかけまわしているのをよく見たが、どちらも楽しそうで仲が良さそうに見えた。そのことは以前君のご両親にも話している」

「……それはただ単に私が本当に怒って追いかけまわしていただけです。それの何処をどう見れば“仲が良さそう”といったようになるのですか?」


 私は頭痛がする頭を押さえたい衝動にかられながら問いかけるとロッド王子は、


「だって君は僕に本音も話さないし、取り繕った表情ばかりだった。僕は僕なりに君の中にある物を見ようと思ったけれど、君はそれを隠してばかりだった。どれだけ長く一緒に居ても、君は僕に心を許さず、“秘密”を語ることはなかった」

「そう、ですか」


 ロッド王子にそう答え、私は、それが彼の“言い訳”でもあると思った。

 それらも含めて私を貶めていいはずもないし、そして彼がデイジー嬢を愛してもいい理由にしてしまった事実は到底許されない、だから“言い訳”なのだ。

 もうこの恋は初めから、私の一方通行で枯れるしかなかったのだろうと思うくらいに私の思いはこのロッド王子に届いていなかった。


 私は深々と嘆息した。

 そして、決めた。


「ロッド王子」

「……なんだ」

「私は、貴方の事が好きでした」


 過去の恋と決別するために、私は……自分自身で思う最高の笑顔で、ロッド王子につげたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ