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自棄になったの

 傍にいるディアナに、思い出させてくれてありがとうございました、とお礼をいうと、


「そういった能力を持って生まれたからね。しかも私の孫のエーデルのお友達、ロゼッタちゃんの命に関わるようだからね。……頑張ってきな。きっといい結末を得られるだろう」

「ありがとうございます。……行くわよ」


 私はそう、オズワルド達に告げたのだった。








 特に約束は取り付けていないが、なんだかんだ言われて断られるリスクを取ると直接来てしまった方がいいだろうと私がオズワルドに話すと、


「相変わらず大胆ですね」

「違うわ、自棄になった」

「自棄、ですか?」

「そう、それに私がどうして悪役をやらないといけないのかと思っただけよ。この、公爵令嬢である私、アニスが!」

「……思いっきりが良い所も、いつものアニスですね。むしろ昨日から今日にかけての貴方が、貴方らしくなく大人しかったという事なのでしょう」


 そう言って頷くオズワルドに私はむっとして、


「私はお淑やかな美しく才知に富んだ公爵令嬢なの。皆もそういっていたはずよ」

「貴方がそうみられたいと作り上げた存在ですね。特に王子の前では、いつかぶっている猫がはがれるのか楽しみにしていましたが、結局はそのような機会がありませんでしたね」

「……私はあの王子が好きだったのだから仕方がないでしょう。今だってまだ私の中に、残っているわ」

「昨日の今日ですからね。けれどいずれただの過去の思い出にしてもらいますよ、アニス」

「ええ、期待しているわ。オズワルド。貴方がそうしてくれるのでしょう?」


 そう返すとオズワルドは頷く。

 そこで私達は城の前にやってきて、門番の人に、公爵令嬢アニスが来た、話がしたいと伝えてもらったのだった。


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