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貴方の想像通りだったのかしら

 現れた幼馴染のオズワルドに私は、問いかけた。

 どうして来たの、と。すると、


「貴方の様子を見に、です」

「そう。それで、貴方の想像通りだったのかしら」


 わざと問いかけたのは、嫌みのつもりだった。

 だって私はオズワルドがとても聡いのを知っている。

 この結末だって当然予想が出来ただろう。


 頭も切れて見かけが良くて、女性に人気のある俺様。

 伯爵家ではあるけれど、最近では隣の国の王位につくとか付かないとかいった話もあり、そんな彼を狙う女性達が噂をしていたのを私は知っている。

 だからだろう。


 よく私に話しかけてきたのは。

 公爵令嬢で、婚約者のいる私にアプローチして切ない恋をしている……そういった話にしておいて、自分はまだ自由でいたいと思っているようだった。

 言い訳に私は使われただけだと思う。


 だって彼は悪趣味で、よく私を怒らせる。

 冗談めいた命令口調で私に話しかけて、この前だって、いい加減好きな女性の一人や二人いないのかと問いかければ、


「君のような、腹黒美人が好みなんだ」

「さりげなく腹黒と悪口を入れたわね、許さない」


 といったような会話から、追いかけっこに発展した。

 もちろん鬼は私であって、しかも逃げられてしまった。

 いつもの事だが。


 その時にまた来るよと手を振って去っていくのがいつものことながら、私の神経を再び逆なでした。

 だがその件に関して話しても彼は、全く聞く耳を持たなかった。

 相変わらずの俺様だと私が思い出しながら、別な意味で苛立ちを覚えているとそこで、


「そうですね、予想外でした。だって私は、もっと“打算的”に王子という婚約者と付き合っていると思っていましたから」


 そう、オズワルドは予想外の言葉を口にしたのだった。

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