たまらずさけぶ
たまらずに叫んでしまった私。
だって、私は……何も悪くない。
好意が悪意に変わる瞬間。
運命の悪戯とも言えそうなそれに今回は翻弄された。
自分の良心に従った私の行動が裏目に出てしまい、そしてそれを大好きなあの王子は利用した。
酷い話なのに、未だに私の中では彼を“好き”だという気持ちが寝ずよく残ってしまっている。
愚かだ、そして、そう思うと更にみじめになる。
つい、うつむいてしまう私の手を、オズワルドが握る。
大きくて温かい手。
手が冷たい人は心が温かいというけれど、その逆はどうなのだろうと思う。
でも、こんな時に手を握りしめてくるオズワルドが冷たい人だとは私には思えなかった。
それに以前から知っているオズワルドは、俺様だけれど冷たい人物ではなかったと私はよく知っている。と、そこでオズワルドが私に、
「アニス、貴方が、デイジー嬢にそんなことをするような人物でない事は、ずっと見てきた私が知っていますよ」
「オズワルド……」
「私なら、アニス、貴方を悲しませたりしないのにと、今も悔しい思いをさせられていますよ」
「……ごめんなさい。私、まだあの王子の事は割り切れていないの」
「……知っています。貴方はいつも、あの王子を追いかけていましたから」
そう言って苦笑するオズワルドの声には苦いものが混じっている。
でも私はまだ、心の整理すらもついていない。
だってそれらはまだ昨日あった出来事で、そこで、
「あ、あの、ごめんなさい。周りの噂話でその……とにかくごめんなさい」
そう、目の前の前世であったはずの私……ロゼッタが、私に謝ったのだった。
風邪のため、明日の更新はお休みします




