目覚め
──ザッ──『今日未明、○○市に在住の黒崎 飛鳥さん(16)が行方不明になり…』─ザザッ─
─テレビ──ザッ─『ここ一週間日本全国で連続誘拐事件が…』──ザッ──
──車と二人組の男──ザザザッ──赤い目の仮面──
─ザッ─『お前の本名は×××。今日からお前は』─ザッ!!─『コウだ。』─ブツッ─
「……うあああああっ!!!!!!!!!!!!」
夢を見ていたようだ。汗が酷く、服がびっしょり濡れている。
息が荒くなっていて苦しかった。そしてすぐに異変に気づいた。
「此処は…何処だ?」
見覚えは無かった。ただ辺り一面真っ白な部屋で窓が無く、たった一つのドアしか無かった。
まわりは誰もおらず、自分一人だけ。
服も自分が持っていた服ではなく、淡い水色の半袖シャツと同じ色の七分丈と思われるズボンだった。
右胸には意味の分からない英単語と数字が並んでいる。
気分は囚人のようだった。
そしてふと気がついた。
「俺の……名前は?何だっけ…?」
その瞬間、頭にズキンッと痛みを感じた。その痛みと共に脳内で再生される声。
『……今日から…お前は……………コウ…だ。』
ノイズがかかっていたがハッキリと聞こえた。
「コ……ウ……?」
俺の名前って『コウ』だったか?
to be continue…