店長と過ごす日々①
『おーい、星倉さん?』
「あっ、はい。」
昔の事を思い出していたら、向井店長が私の名前を呼んでいた。
『タイムカード、早く行かないと遅刻するよ。』
「あっ、すみませんっ!!行って来ます!!」
私は大慌てでタイムカードを押しに行った。
それに、ボーっとしてた所を向井店長に見られるなんて…。
「よし、これで大丈夫。」
向井店長が声を掛けてくれた事で、遅刻せずにすんだ。
『大丈夫やった?』
「はい、大丈夫でした。ありがとうございます。」
『くっ…くっ…。良かった。』
向井店長は、面白そうに笑っている。
店長とは、いつもこんな感じ。
しっかりしないといけないなぁ…と思う。
『よし、食料品を出そうか。』
「はい。」
お店はドラッグストアなんだけど、日用品や食料品まで置いてあるんだよ。
品物の数が多くて、覚えるのは大変だったけど…。
『星倉さんは、牛乳とかを出そっか。』
「分かりました。」
店長と一緒にする時は、とても緊張してしまう。
朝は、Tシャツ姿でお仕事をするから、隣で見ているとカッコ良いな…と思う。
『星倉さん、これもお願い。』
「はい!!」
向井店長ってすごいと思う。
いつも、てきぱきしていて皆と気軽に話せて。
「あっ、終わりました。」
『ありがとう。』
「次は、どこを?」
『じゃ、補充でもしてもらおうかな。』
「分かりました。」
店長から指示を受けた場所を補充しながら、私もいつか店長みたいになりたいなぁ…と思っていた。