青田さんと…③
病院に着いた私は、有馬店長に聞いていた部屋の番号へ急いで向かった。
扉を開けると、白いベッドに青田さんが寝かされていた。
『星倉さん。』
「店長、お疲れ様です。青田さんは、どうして…事故に…?」
『私も詳しく聞いていないんだけど…。
反対車線にいた車がはみ出して、追突したらしい…。お医者様は、今夜が峠だと言っていたよ…。』
「そんな…。」
さっきまで元気だったのに…。
今の青田さんは、青白い顔をしていて、所々かすり傷もあった…。
「青田さんのご両親へ連絡は…?」
『したよ。だけど、県外に住んでいるから時間はかかるかも…って言ってた。』
「そうですか…。」
『今夜は、私が付いているから…。』
「私もここにいます。店長は、家で待っていて下さい。お子さんもいらっしゃるので…。」
『良いんですか…?』
「大丈夫です。何かあったら、すぐ連絡しますので。」
有馬店長は、家庭もあるから大変だもん…。
ここは、私がしっかりしなくちゃ…。
『分かった。あとから、水木店の向井店長も来るから。』
どうして、向井店長が…?
前の店舗の店長だから…?
あっ…。今は、そんな事を考えている場合じゃない…。
「分かりました。向井店長にも、よろしく伝えておきますね。」
『うん。じゃ、よろしくね。』
「はい。」
有馬店長が帰った後、私は青田さんが寝かされているベッドまで行き、手を握った。
神様、お願いです。
青田さんを助けてあげて下さい…。
私は、一生懸命お祈りしていた。
その頃、青田さんがどんな所にいるかも知らずに…。




