宿敵
ユヴェントスFCというチームは世界的に有名なクラブの一つだ。現在イタリア、セリエAリーグは世界最高のリーグと言われ、その主な理由は彼らにあると言っても過言ではない。
リーグ最多の優勝回数、スクデットを獲得した回数は29。追随を許さない最強のクラブだ。去年もその優勝数の証である星をユニフォームに付け加えた。彼らの強さは未だ成長中である。
イブル・ホムロムのアグレッシブパスサッカー、レベルの高いパサー4人をダイヤモンド型に並べ、SBもパス回しに参加し、最後はストライカーが得点を決める。単純だが、パサーのレベルが異次元レベルのために彼らのパス回しはバルセロナ以上ともいわれる。
さて、その4人とはどういう選手なのか、ユヴェントスを紹介するにあたってこの話をせずにはいられないだろう。
まず、『世界最高の司令塔』、競技用サングラスが特徴的なファル・オン・ゴヌエス。オランダ史上最も優秀なパサーと評される彼の持ち味は、その視野の広さと正確無比のパスだ。彼は俯瞰で場面を見ることができ、逆サイドでスペースに抜け出した選手に正確すぎるパスを簡単に送ることができる。ユヴェントスの王様だ。
次にボランチのイエディ・ラシン。昨季、ファール王と呼ばれるほど激しいプレーが多かったものの、守備に関しては群を抜いて優秀で、パスの精度も高い。今季、数多のクラブから引き抜きの手が伸びたが、ユーヴェに残る決心をした一人だ。
他の2人、ゼノ・アルターとアマンダのことは、後々語られることになるだろう。この2人は、両名とも移籍が決定しており、ゼノはインテルへ、アマンダはプレミアのマンチェスターCに移籍した。
このほかにも、守備の要のイタリア代表ジョルジョ・キエリニや、不動の守護神、ジャン・ジ・ブッフォなど、語るべき選手は多いが、ここではこのくらいにしておこう。
最後にトリノとの関係を語っておこう。前章でブラウンが演説した通り、ここ10年間、隣人であり最強のライバルであるビアンコネロ相手にトリノは勝利などはおろか、引き分けすらない。それもそのはず、ここ10年で彼らは急速な進化を遂げ、トリノを置き去りにしたのだから。
名将モンテ・オンテに率いられ、パスサッカーを繰り広げ始めた10年前、そして3年前に就任し、世界最強のチームを作り上げたイブル・ホムロム、この2人の名監督がユーヴェをここまで成長させたのだ。
トリノはそんなチームに挑まなければならない。なにせ、ブラウンの目標は――
「俺はね、このチームを世界最高のチームにしにきたんだ」
世界最高のチームを作ることなのだから。
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