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しるし(詩集)

drug

作者: さゆみ



わたしには歩ける距離だけれどバスに乗る

あなたには歩けない距離だからバスで行く

あなたと一緒に進む距離だからバスを待つ


わたしたちのぽっかり抜け落ちた まあるい記憶

きれいに正しく纏められたら良いのに

すぐ傍に落ちていたら すぽっと はまって

“戻れー”って呪文を唱えて

そしたら昔みたいに……


ねぇねぇ

この二つのドーナッツ

食べちゃって

チャラにしよう

なんにもなくなっちゃって

空き地の空に最初から誰かが塗り絵するの

クレヨンは折れてるけどね


ふー

バスは揺れて停まる

つきあうわたしは

つきあわれてるわたし

窓に飛び付く水滴

誰かが引っ掻くみたいに線がつく


でも

雨の日はバスが良いね

濡れなくて良いね

行く果ては同じなら

手段なんてどうでも良いはず

とりあえず今は同じなら


そう

終点までもっと遠ければ

いろいろ話しも出来るけれど

この位がちょうど良いね

これ以上はまだ行けないもの

わたしたちは

これが精一杯



あなたには歩ける距離だけれどバスに乗る

わたしには歩けない距離だからバスで行く

わたしと一緒に進む距離だからバスは着く


ねー

私もあなたも一人じゃ歩けないの?

ねー

あなたも私も一人で歩きたいの?







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― 新着の感想 ―
[一言] 引き続きお邪魔しました。 この箇所最高です! >窓に飛び付く水滴 >誰かが引っ掻くみたいに線がつく 知らず心穏やかじゃなさそう・・・・って、感じが、あまりに他人行儀でGOOD! 持っ…
[一言] 読ませていただきました。毎回受ける感動は違う筈なのに、おちゃらけか、似たような感想しか出来ない私ではありますが、←(・・;)(書き残すなら増しな感想残せみたいな) この作品、めっちゃ好きです…
2013/06/14 06:42 退会済み
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