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復讐の後宮妃 この恨み絶対に忘れない  私を殺した悪徳妃に復讐を ー処刑された貴妃は、二度目の人生で牙を剥く―  作者: 島崎紗都子
第1章 新たな人生を生きる

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35 執念と強運

 慈桂は舞を披露しようとする。

 試験を受けると決まった日から猛特訓をしたのだ。

 陛下に流し目を送り、舞を舞おうとした次の瞬間、足をもつれさせ、その場に派手に転倒する。

 辺りから失笑がもれた。

「やだ、転ぶなんて、恥ずかしい」

「これでは確実に試験に落ちるわね」

「当たり前よ。妃に選ばれなかったら罰を受けるのよね」

「ええ、皇太后さまは死を与えると言ったわ」

 きつく唇を噛みしめ、自分を笑う少女たちを睨みつけながら、慈桂はひたいに浮かぶ汗を手の甲で拭う。

 試験を受けさせまいと、こっそり彼女に薬を飲ませた。体調の悪い慈桂は立っているのも辛いはず。

「どうやら、期待外れだったようね」

 皇太后はため息を落とし、鋭い目を慈桂に放つ。

「先程私が言った言葉は覚えているな。試験に合格しなければ、そなたを罰すると」

 その場に身を崩した状態で、慈桂は唇を震わせた。

 慧雪はにっと口元に笑いを刻む。


 雪蘭、あなたを苦しめた義姉は自ら破滅するわ。

 おそらく厳しい処罰が下される。


 皇太后は命で償えと言った。皇太后が一度言った言葉は覆されることはない。

 慈桂ははっと我に返る。

「申し訳……もう一度……」

「もうよい、下がれ」

 もう一度機会をくださいと懇願する慈桂に、皇太后は厳しい顔で、去れと手を振る。

「皇太后さま! どうかどうかお許しください」

「下がれと言ったのだ。誰か!」

「は!」

 側にいる太監が頭を下げる。

「この者に丈刑100回の罪を与えよ」

 皇太后が声高に言う。

 緊迫した空気がその場に流れる。

 100回も打たれれば、間違いなく死ぬ。

 慈桂は這いつくばるように、陛下の元に近寄る。

「陛下! どうかどうか、お許しください。けれど、陛下に尽くしたいと思う気持ちはここにいる誰よりも強いです。どうか私に仕えさせてください。お願いします! どうしても陛下のお側で仕えたいのです。そのために私は生きてきました!」

 跪いた慈桂は泣きながら、ひたいを地面に打ち付ける。

 何度も打ち付けたせいで、慈桂のひたいが擦りむけ血が滲んだ。

「皇太后さま、私を陛下に仕えさせてください。陛下のためならどんなことでもいたします。皇太后さまにも一生、忠誠を尽くします。お願いいたします!」

「顔をあげよ。そこまで朕を思ってくれるとは」

「はい! 私のすべては陛下のためにあります! 私は陛下にお仕えするために、この世に産まれてきました!」

 陛下は側仕えの太監に目で合図する。

「合格だ」

 慈桂は目を見開いた。

「ありがとうございます!」

「なりません陛下、この者は、そもそも試験を受ける資格などなかった娘ですよ」

 皇太后が陛下を窘める。

「だが、彼女はここにいる。それがすべてではないか?」

 皇太后は再びため息をつく。

「そうですね、運も実力」

 呟いて皇太后は慈桂を見据えた。

「今回は陛下の温情により命を救われた。だが、後宮に入るからには心するがよい」

「もちろんでございます! 陛下、皇太后様の温情は一生忘れません!」

 慈桂は恭しく頭を下げ礼を申した。

 周りの者も慈桂の行動と、運の良さに驚きを隠せないでいた。

 もちろん慧雪も。

 慈桂が試験に合格するとは。

 慈桂の執念と運の良さに、慧雪はこの先の不安を抱いた。

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