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幽霊屋敷 ~アーケードゲーム~

作者: 白音 藍奈

 今から3年前、高校生の時に俺は友人たちと一緒にゲームセンターへ行った時の話です。そのゲームセンターはY線I駅から少しだけ離れた場所にあります。俺と友人3人の計4人で行きました。その日は金曜日で、週末ということもあり駅周辺はいつもより人が多かったです。


 目当てのゲームセンターは駅から離れたビルの一角にありました。少し古びたゲーセンでした。中には自販機やラーメンの自動販売機があって、ゲームの最中食べたりしていました。ゲームセンターで食べるカップ麺はコンビニで食べるより美味しく感じるので不思議だと皆で喜んでいました。


 ゲームセンターの中に見るからに古いアーケードゲームがありました。名前は幽霊屋敷という名前だったと思います。友人の一人が「やってみよう」と言い出し、プレイをし始めました。途中で別の友人が続きをプレイしました。そして4回目、最後は俺がプレイをしました。一巡した時、ゲームセンター内の雰囲気が変わっていることに気が付きました。周囲にいた人たちがいつの間にかいなくなっていたのです。アーケードゲームの周囲には俺たち4人だけでした。心なしか室内の照明が少し暗くなっているようでした。皆で「どうしたんだろう?」と言っていると、いきなり停電しました。


 驚いた俺たちの目の前にあるアーケードゲームの画面は灯りが付いていました。「停電なのに?」と思いましたが、気にしないでいると周囲に人がいることに気が付きました。それは俺だけではなく、4人全員が気付きました。俺たちの周りにはさっきプレイした幽霊屋敷に登場した人物たちがいました。それは言うまでもなく人間では無かったです。俺たちはいつの間にか幽霊たちに囲まれていたのでした。


 焦った俺たちはそこから逃げようとしました。なぜなら幽霊たちが俺たちとの距離を縮めて来たからです。幽霊たちはゲームの中より臨場感がありました。本物の幽霊でした。俺たちは慌ててゲーセンの外へ逃げたのです。外に出た俺たちは自分たちの見た事が信じられないと口々に言いました。それから俺たちは帰ることにしたのです。


 それからしばらく平穏な生活をしていました。しかし、友人たちが奇妙な事を口に出すようになりました。「幽霊屋敷の幽霊たちが自分たちの部屋の中にいた」とか、「トイレに出た」とか、「お風呂から出ようとして扉を開けるとそこにいた」とか口に出すようになりました。俺はただの見間違いだと真剣に思わなかったのですが、学校からの帰り道、後ろから音がするので後ろを振り向くとそこに幽霊屋敷の幽霊がいたことがありました。


 それから友人たちが次々と体調不良になり、夢の中で幽霊が襲ってくる体験をしました。俺たちは親に事情を話し、K県で有名な霊媒師に診てもらい除霊をしてもらいました。霊媒師が言うには、俺たち4人に邪悪な霊が付いているとのことでした。それは怨念から由来し放っておくと家族まで危険との事でした。俺たちは除霊をしてもらい、それからようやく普通の生活を送ることが出来ました。


 それから暫くしてあのゲームセンターへ行ってみると幽霊屋敷というアーケードゲームは撤去されたらしくありませんでした。店員の人に話を伺うと、「当店にはそのようなアーケードゲームは置いてない」とのことでした。俺たちは狐に騙されたのでしょうか?それとも本当にプレイしたのでしょうか?


 そう思うのは、日が経つにつれてあの日の事を忘れているからです。ただ停電した時、俺たちがビビったアクションのシーンが色濃く記憶に残っています。もしこれを読んだあなたがゲームセンターで幽霊屋敷というアーケードゲームを見つけたらプレイしないことをお勧めします。


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