第53話『落ちて、来て、誘い出す少女』
次に向かってる弾丸をすべては目視できない。
攻勢に出ないと詰む。
3人以上にいれば勝てるがイチちゃん曰く、ケータイは繋がらない。
今、攻略に欲しい人がいる。
――あの人ならたぶん奴へとたどり着けることができる。
ここから、超長距離射撃をしてくる殺し屋を殺す方法は私が攻撃するしかない……。
だが、そこまでの道のりを切り開けるのは私じゃだめだ。
あの人を探さないと!
方法は何だ?なぜ来ない?
何かわけがあってこない?
普段はどこにいる?どこで見かけた?
チッ、試行している間にまた威嚇射撃!!
本命も何発か混ざっている!!
あいつ、精神をすり減らそうとしている!?
攻撃をしていることで私の心も責め立てているッ!!
――あいつは『攻撃』というものを理解しているッ!!
かわし方を理解しているからこそ、攻撃の一手の判断が鋭くなっているのが腹が立つッ!!
むやみやたらに刀を振るうより、1秒1秒を考えながら斬りつけたほうが相手を殺せる可能性が高まるに決まってる!
これはそれを互いに行っている詰将棋や五目並べに近い戦闘なんだ、いわゆる思考戦。
一手を間違うと死につながる『最悪の盤上の戦い』。
対モンスターのような知能の低い戦闘じゃない。
相手をどう殺せるかを重きに置いている。
だから、『駒』を増やし確率をあげていくことが重要なんだ。
駒を暗躍させて、攻撃を届かせるための戦闘。
まず2人だけじゃ勝てない!!
恐らく相手も同じことを思っているなら恐らく、次の一手が飛んでくる可能性が高い!!
警戒しすぎないように!
警戒するといざ視界の死角を突かれて無駄に精神をすり減らすっていう結果になりかねない!
それはこの戦闘に置いて死を意味するに近い。
一番いいのは警戒をほどほどにしつつ、とっさにどこから来てもいいように反応すること。
そう、今まさに私の上空へ何かがこっちへ向かってきているように。
恐らくラジコンヘリか何かだ。
待て何だか、多い。
音が多すぎる。
聞こえる数多すぎじゃない!!?
「ヒ、ヒーちゃんあれ!!」
「うおッ!?」
上空、暗がりの中。
私の目は確かにとらえた。
古いレンガをめくった時に見た虫と同じような感じ。
思わず引くほどの量のラジコンがいる。
空の中にうごめくラジコンが今にも私に群がろうとしている。
っていうか暗がりで見づらいけど、恐らく機関銃みたいなやつついてない!?
「「あ、こっち見た……。」」
ハモっている場合ではないな。
上から一斉射撃してくる気だ!!
わかりやすい物量攻撃!!
だけどもそれは悪手だよ、殺し屋。
「イチちゃん、舌をかまないようにね!!」
「うん!!」
弾丸が発射される前に鉄くずにしてやる!!
思いっきりジャンプをして近くにあったラジコンヘリを一つに狙いを定める!!
イチちゃんを抱えた今、拳で攻撃はできない!
周囲に囲まれているなら、二つの足技をガッチャンコして範囲にダメージを与えてみせる!!
「高達流闘術!!
肆+伍匹目
混成技!!
ニシキ&ハナフサ!!」
ニシキはバットの様に蹴り上げ別の相手に当てる遠距離を目的とした足技。
ハナフサは相手より高い高度からプレスするように連続して踏みつける様に蹴る足技。
つまりこの二つを組み合わせると、要は空中で相手をピンボールの様に当て、そして別のまた別の相手へと当てる。
落ちそうになったら壁から反射するようにジャンプをする。
これを繰り返し続け、発射されるより前に何度も相手を無限に弾丸のように衝突を繰り返し続ける。
空中で繰り返し続ける無限バッティングセンターのような技だ。
――まぁ~~やっていることは足技なのでどちらかと言うとサッカーなんだけど。
全ての敵に蹴りを当て続け、着地をしラジコンヘリがドさりと音を立て落ち始める。
「そして私は……。
いや、まだ戦闘は終わってないか。」
すぐさまにまた弾丸が襲ってくる。
本当に容赦がない!
スタミナが尽きる!
しかもラジコンヘリに弾丸を反射させてくるから厄介すぎるでしょ!!
跳弾がうますぎる!!
それにさっきから弾丸に弾丸を反射させるような真似をしてきてない!?
私もできるけどこの距離でこの精度は異常ね。
さっきやった技と同じ要領だ。仕返しされたね。
まだイチちゃんを抱えたまま、避けられる。
新体操な動きで、全ての弾丸を紙一重でよける。
足を狙ってきたら、走る。
体を狙ってきたら軸をずらす。
イチちゃんを狙ってきたらジャンプする。
ただ道路で20発以上のライフル弾をこれでかわしていく。
キリがないし、状況を変える隙がない!
……そうだ!
「……イチちゃん。
考えてほしいことがある。」
「え?」
「正直、身体の調子が悪くていつまで持つかわからない。
ある人に会う方法を、一緒に考えてほしい。
最悪会えなくてもいい。
連絡さえ取れれば勝つことができるはずなの。
このままだと私のスタミナが底を着いた時点で2人とも死んじゃうから。」
「……うん。考えるから、教えて。」
「実はね……。」
――イチちゃんへ、勝利までの道のりを軽く説明をした。これで私は避けることに集中できる。
3人必要な人数のうち一人がこの役目。
思考し大局を見据え考える役目。
こっちは余計なことまで考えることができない。
私がお姫様抱っこしているこの子はお荷物じゃない。
この子と共に勝たなくては意味がない。
そうこうしているうちにまた、けん制代わりに4発飛んできた!
イチちゃんを抱えた状態でも屈みながら、2発をよける。
いわゆる『屈伸』の体制だ。
ここでジャンプをして避けることを相手は予測している。
目視した感じ恐らく1発は私がジャンプする地点に着弾させようとしている。
そして最後の1発がイチちゃんの眉間ね。
残り2発をかなり無理やりな体勢だけど、筋力で強引に右側に側転をして避ける。
マズイな、スタミナの消費が激しいし、だんだん壁際に追い詰められている。
このまま打開策がないとやばい。
そろそろでかい一発が来る気がする!!
「あ、思いついた!ヒーちゃん!思いついたよ!」
腕の中にいるイチちゃんが何かを思いついたようだ。
「言って!次にでかいのが来る前に!」
イチちゃんの顔は見れないけど、言葉は聞こえる。
「条件があるの!あの人はいつだって『食べ物屋さん』が近くにいるところにいた気がする!
そしていつだって事故に巻き込まれようと、何気ない日常の時に来ることが多かった気がする。」
!!
そういえば、初めて会った時もクレープ屋さんの近く。
次とその次も商店街の近く。
エイドスドアルームの時も露店が近くにあった。
いつだって楽しいことを話しているときに来た。
都合がいいのか、ここはアイス屋さんの近くだ。
奴が攻撃する前にやるべきこと一つ!!
――日常会話だッ!!
「イチちゃん!!タコパしない!?」
「うん!!やりたい!!」
この会話はヤ・ケ・ク・ソだ!
こういう会話をしないと勝ち筋が見えないのだ!
そう、あの人ならきっと来る。
――いや、あの人が現れるはずだ。
空間に何かが伝ってくる感じがする。
このヒュぅー〜〜って妙な音だ。
遠くから聞こえる花火の前段階的なあの音だ。
その音と同時にイチちゃんとの非日常状態での日常会話が続く。
「みんなも呼んでさ!楽しもうよ!」
「うん、新聞部のみんなやユミさん達家族とか、ヨゾラちゃんとか!」
まずい!この感じは炸裂弾とかそういうたぐいの弾丸が山なりに描いてこっちに来ている系の音だ!
暗がりで見づらいが遠くに見える!!
ここに落ちたら非常にまずい!!
弾丸入りの炸裂弾が一気にあたりに飛び散ればまずい!!
道路に穴が開いたり周囲のビルがブチブチに倒壊する危険だってある!!
日常会話を続けながら、私はそこら辺にあったそこそこ丈夫な看板を剥ぎ取り、着弾地点へと駆け出す!!
「あとみーさんもタコパに呼ぼう!!」
「みーくんも行くみ!!」
さいっっあくのタイミングでようやく出現してくれた!!
しかも左真横に!!
「みーさん!!下がって伏せてッ!!」
「みッ!!?」
私が叫ぶと同時にみーさんが真横から消える。
避けたのか本当に消えたのかわからないが。
上空にすでに目視できる位置にある炸裂弾は重力に引っ張られて落下していこうとする。
私は理科系等に関しては馬鹿じゃない。
あれは雷管が地面に接触した時点で爆裂するらしいし。
街中であれが炸裂したら被害がやばいことはわかる。
さらに言えばさっきみたいに放射能的なアレが広がったら私も身動きが取れない!!
ついでに近くにあるアイス屋さんがぶっつぶれてしまう!!
山なりに飛んでいるから今が一番速度がのっているとき!!
被害は出てしまうが最小限にとどめておく方法はある!!
~ヒトメちゃんの素敵な炸裂弾対処講座~
1.まずは適当なそこそこ丈夫な看板をはぎ取ります。
2.炸裂弾が地面に直撃する直前に急接近します。
3.適当にはぎ取った看板を使い『臭いものにふた』をして、看板に対して上から押しつぶすように両足でキックをします。
4.なんということでしょう!炸裂弾は接触すると同時に地中にのめり込み、地下で炸裂していきます!!
「うっらあああッッ!!」
足元から火薬と衝撃が伝わり私は、思いっきり吹っ飛ばされ地面に激突しそうになる。
が、思いっきり空中で勢いをつけて無理やりな体勢で着地する。
「うぐっ!!」
「ヒーちゃん!!」
イチちゃんを両手に持ちつつ、生理で重苦しい体調でこれをやっているんだから誉めてほしいわ!
めちゃくちゃキツイ!!
早く戦闘を終わらしたい!!
じゃなきゃ持久負けで死んでしまうわ!
「ナイス着地み!!」
いいタイミングでみーさんがサムズアップする。
――だが、ようやくわかってきたぞ。
やっぱり思った通りだ。
この2040年に来てから一番の謎だったこの人の出現する仕組みをようやく見抜いた。
この人なら奴に近づける。
「みーさん!!助けて!!」
私が助けを求めたこの瞬間。
私のこの戦闘の結果が原因となって。
どうやら別の戦場でもあることが起きていたらしい『ある出来事の結果』と結びつき。
そしてそれは波紋を広げ、私達にビリヤードの玉の如く伝染していくのを、私は視界の隅で発見してしまう。
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この物語の『更新』は現状『毎週金、土、日』に各曜日1部ずつとなります。
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本日のヒトメさんによる被害/買い物
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アイスクリーム屋さんの看板:原型はなく放射能物質が検出されている。




