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【完結】無双無敵少女は超超超絶な青春を諦めないッ!!  作者: ラクルドゥ
第一章『心がときめく復活少女』
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第3話『異変に気が付くもの達と少女』

 

 私はトラックさんに食われかけた少女に近づく。


 

 うわ~~ちっちゃい!

 可愛いい~~べちゃくちゃに可愛いい~~!

 紫色の瞳に、フワフワのロングヘアーでお人形さんみたい~~!!

 お洋服も超イケイケ赤色ワンピ~~!

 丸メガネがいい感じにキューーート!

 この子を着せ替え人形にして1日中遊びたい!

 いや!そうするべきでしょ!

 ほっぺももっちもっち!

 あ~~なんだかしぐさがハムスターみたいで超可愛い~~!


 

 

「こんにちは!初めまして!!

私の名前は『高達(タカダチ)ひとめ』!

()いに友達の()。ひとめはひらがなで『高達(タカダチ)ひとめ』って言うの!

あなたのお名前は何?」

「………………あ、え……イチジク……。

信谷(シンタニ) 無花果(イチジク)……です…………。」

 イッチジックちゃあぁん!

 うわー身長が低い年下の子の中でもめちゃくちゃかわいいじゃん!

 保護欲!そして母性本能!あと純粋にほっぺをムニムニしたぁい!

 

 



「うんうん。どこも怪我がないよーで良かった!」

「あ……はい……。」

 決めた!この子に案内してもらう!拒否権は与えない!

 可愛いガイドさんに連れ歩きしてもらいたい!

「イチジクちゃん!ちょっとこの町を案内してくれないかな?

いきなり見ず知らずの町に放り出されて困っていたんだよね~!

昔の仲間や『アイツ』を探し出すには恐らく私一人だけじゃちょっと難しいし。」

「アイツ……って……?」

 私は天へと人差し指を掲げる。

「そんなの決まってんじゃん。私の彼氏だよ!!

私の生きる青春のすべてであり!

どんなことをしてでも見つけ出したい人!!

私は彼と!

武山(タケシヤマ) 才無(サイム)』と『いちゃいちゃラブラブちゅっちゅ』するためにッッ!!

クソデカ感情を持った、私はここにいるんだ!!」

 私はイチジクちゃんを揺さぶり力説する!この世のすべて心理!青春を!

「世の中は恋なんだよ!!青春なんだよッ!!ねぇあいつを探すため案内してッ!!」

「うぉ~~頭が揺れる~~!わかりました~~!案内します案内します~~!案内するから揺さぶるのやめて~~!」

 言質は取ったッ!!

「シャァアッ!!これからよろしくね!!イチジクちゃんッ!!」

 私は立ち上がり、右手を突き上げガッツポーズをする。

 


 


「タ~~ケ~~シ~~ヤ~~マ~~!!サイムゥゥゥ~~!!でてこぉ~~~い!!

私に、いちゃいちゃちゅっちゅされろおおおッ!!

私はまだ!!

恋を!!

青春を!!

あなたへのこのバカデカい超超超絶大好きを!!

諦めてなるもんか!!」

 ひとしきり空に向かって吠え気がつく。

 ガッツポーズの先……その視界の端に妙な看板が映り込む。

「……は?」

 最小の動きで振り向いた先にあるのは『ショーワ街七丁目』という青い縦長の看板だ。

 私の記憶に引っかかる。

 私の産まれ育った町。

 アイツと青春を過ごした町。





 ――その町の名前は確か『ショーワ町』という名前だった気がする。







 『ショーワ町』と『ショーワ街』……。

 なんだか胸騒ぎがする。

 どっちみちここに警察が来る。

 面倒ごとになる前に迅速に去らねば!

「イチジクちゃん!ちょっと抱えるよ!」

「え……うわぁ!?」

 イチジクちゃん体軽い!

 りんごの匂いがする!

 私はイチジクちゃんを片手で持ちあげ、ビルとビルの側面を壁ジャンプする。

 いちいち階段だとかエレベーターとかで時間をロスしたく無い。


 

 だいたい6階建てのビルの屋上からこの街をきょろきょろと眺める。

 確認したいことがあるからだ。

 私の知る町……。

 いや記憶の一部しかない()()()()()()()()()()()()()……。





 ここは私のショーワ町なのか?

 まだもしかして異世界トラックさんの前にいて『異世界』の夢でも見ているのか!?

 ショーワ町っぽくない……。

 遠くにあるあのバカでかい()()()()()()()()()()なんてものは無かったはずだし……。

 記憶がないから確かなことが言えない。

 だが赤金魚としての私を知っている人がいた。

 故郷は少しここは似た場所に思える。

 でもここは私の知っているショーワ町ではない。







 ――――ここはどこだ……。







 今まで感じたことのない鳥肌がぞわっと全身を駆け巡る。

「イチジクちゃん……ここはどこ……。

ショーワ町なの……?」

 屋上の風が私達を優しくなでる。

 目の前の光景はとてもじゃないが信じられない。

「ここはショーワ街です。

『ショーワ町』はもう10年くらい前の呼び名ですよ。」

 10年?

 10年ッ!?

「まって……今はいつ……何年何月何日なの……?」

「え……そりゃ……。」

 イチジクちゃんが口を開く到底あり得ないふざけたような年数を。

 



 

「2040年5月10日でしょ?」




 

「は?え?マジで……?嘘言ってない?ふ、ふざけたりは……。」

「いや……ふざけてないです……あんな光景見せられた後にふざけるなんて、無理です……。」

 2015年じゃないの?

 私にとっての『今』は『2015年』のはずなんだ。

 まさか……ここは25年後のショーワ町なの!?

 混乱する、受け入れ難い...!




 

 じゃあ……じゃあ……私の彼氏サイムは今……。









 


 ――無茶苦茶かっこいいおじさまになっているってことだよね!


 





 中学の時点で身長高かったし、イケメンだし、それに同い年だけど年の差婚できんじゃん!

 いい感じにお得じゃない?楽しみだわ~~!

 時を超えた乙女の純愛心くすぐられるこの感じ!

 青春が未知のゾーンに突入して、ドッキドキしてくるじゃないの!

 絶対に再会していちゃついてやるんだから!

「ヤヴァイ!楽しくなってきたわ!」

「は、はぁ……?」



 ただ楽しくなってきたのと同時に……。

 ぐぅ~~っとお腹の音が鳴る。

 さっきのデメキンで服がびりびりになっちゃってるからお洋服も買わなくちゃいけないし、警察にごちゃごちゃ聞かれる前にまずは一刻もこの近辺から撤収して、お洋服とご飯にありつきたい!

「イチジクちゃん。お洋服とご飯がありつける場所……ないかな?」

「えっと……向こうに『ショーワデパート』ってのが……。」

 イチジクちゃんの指さす方向には確かに大きな建物がある。

 ビルの屋上を進んでいけばすぐね。

「よっしゃ!私の腕にしっかり掴まって!」

「え!?」

 私はがっちりとイチジクちゃんをホールドしつつ、ビルの屋上をウサギの様に飛び越えていく。

 摩天楼に変わった街巨大なビルの屋上、変わってしまったであろうこの街。

 私にとってここは遠くに見える巨大な謎の球体と大きく新しくなった不思議な光景だ。

 身体に伝わる風と共に、イチジクちゃんの髪の毛のにおいを傍で堪能しつつ、ついでだしこの子をデパートで着せ替え出来るのに期待が高まるぅ~!




 

 せっかくだし楽しむわよ2040年!何でここに来たのかわからないし、私の記憶もあやふやだけども!

 そんなこと知ったことじゃアない!

 必ず彼氏であるサイムと再会して、ヌタヌタに大笑いできるような青春をして見せるんだからッ!

 



 

 ◇◇◇

 同時刻、誰かの視点その1

 ◇◇◇


 

「事故か?」

「ヤヤちゃん!あそこは七丁目のあたりだよ!だよ~!」

 あの破砕音、ただごとじゃないな……。

 獣人で耳のいいナナナがしっかりと聞いていたおかげで迅速に対応できる。

 スクープかもしれない……。

「今確か、マロンちゃんがちょうど偵察に行っているとこだよ?」

「何事かわからない現状。記事に書くと少し厄介そうだ。

マロンを待つか……。ナナナ、この前の怪現象を今週の見出しにする。

さっきの事故はもう少し探りを入れてから記事にしよう。その後、慎重かつ迅速に対応する。

今回の事故は早さではなく質を重視する。

この前みたいに警察に追い回されたく無いし。」

「おっけー!」

 双眼鏡を使い窓の外を見てみる。







 遠くで後輩のマロンが手を振ってる。

 手には二本の旗を持ってる。

 『モールス信号』で何かを伝えようとしてる?

「や・ば・い・に・ゅ・う・す・マ・ロ・ン・つ・い・せ・き・す・る。」

 どうやら相当なネタらしいな……。

 こっちも手紙を送るか。

「『危険と思ったら引け。急がず距離を十分にとってな。』と……。」

 手紙を慣れた手つきで紙飛行機に折り、紙飛行機の先端にキスでまじないを施す。


 

「【(コミュニスト・)(トランスミッション)Idアビリティ・オコトバヒコーキ】

てぃ!」

 紙飛行機を投げると空間を飛び越え、遠くにいるマロンの元に届く。

 これが私の力だ。

 意図は伝わったはずだ。

「さて、忙しくなるぞ。ナナナ。」

「うん!特殊能力者しかいない新聞部(ナナナちゃんたち)の大スクープを購読者様が待ってるもんね!ね!」







「ああ、稼ぎ時だ。これは売れる。」







 ◇◇◇

 同時刻、誰かの視点その2

 ◇◇◇




「事故だよ!」「事故だね!」

「兄ちゃん姉ちゃんたちに言った方がいいかな?」

「めんどくさいねぇ~!」

 自分に一番近い歳の双子の兄弟が囁き合う。

「「ユーガタ君~~!アサにいとヒルねえへの報告よろしくね!」」

 はいはい、いつもの無茶振り……。

 自分は兄弟の便利屋じゃないんだから……。

 それに妹である自分に()付けしないでほしいなぁ。


 

「えっと……ニッショクとゲッショクの二人はどうするの?」

「トラックが爆散した場所を見学!」

「使えそうなものを回収していたずらに転用!」

 そのままおかーちゃんに怒られればいいと思うよ二人とも。

 でもなんでトラックが空中で爆散したんだろ……?

 この街で何かが起こってるのかな?

「じゃユーガタ君!」

「あとはよろぴくね~!」

 あ、いつの間にあんなところに!?

 まずい!二人が暴走しちゃう!!

 






「待ってよ!二人とも!」

「「ゴー!ゴー!」」

 なんで九人も兄弟がいて、自分ばかりこんなにパシリばかりされるんだろ……。

 最近弟妹たちにもパシられるし……。

 おかーちゃんの言うことちゃんと守っているの自分くらいなのに……。

 はぁ~……。








 

 ◇◇◇

 同時刻、誰かの視点その3

 ◇◇◇



「…………みぃ~……?」

 なんかすごい物音が聞こえたみ……。

 寝てたのに起こされたみ……。

 ねみぃ……。

 もう少しだらけてから起きるみ……。



 あー、しかしお天道様がぽかぽかで気持ちぃーみ。

 ねんねして、もうちょっとお日様に当たるのもいいみ~……。

 屋上でこうすることがきるのはいい気分だみ~~。

 みーはこういうことが好きだみー……。

 風の音しか聞こえず、あったかいお天道様で自分を干しながら寝るのは気分がいいみー。

 






「ぼくはくまーくまーくまぁ~~~♪」

 誰もいないから歌っちゃうみ!

 みーはお歌を歌うのは結構好きなのだ!

 レパートリーはあんまりないけど、こういう日は歌っていい気がする~~。



 みーのそばに置いてあるカバンが、歌声に反応してガタガタ揺れる。

 中に入れている『彼ら』が暴れているんだみ。

「特に用事もないのに街中では出さないみ。

あとで出してあげるみ。ちょっと待つみ。」

 カバンをなでると揺れが止まる。


 

 しかし、あいつどこ行ったんだろ……。

 探す当てないし、みーくんはなんだか置いてけぼりで暇だみ……。

 ま、ここを見学、旅行するついでに頼まれている全員回収するみ!







 ――――この世界を創造してくれやがった『彼ら』を。



 ひと眠りしてからね!

「ふぁ~~、みみのみぃ~……。」

 おやすみなさーい……。

※ブックマーク、評価、レビュー、いいね、やさしい感想待ってます!

この物語の『更新』は現状『毎週金、土、日』に各曜日1部ずつとなります。

ですが初回の9話まで8月6日まで一気に投稿します!



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本日のヒトメさんによる被害/買い物

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無し

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