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【完結】無双無敵少女は超超超絶な青春を諦めないッ!!  作者: ラクルドゥ
第九章『心という道のりと仲の悪い少女』
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第160話『天空での戦い少女』


「お久しぶりです、皆さん。こちらのご飯を先にいただいております。

もう在庫はないですけど。」

「「あざーす!」」

 ヤヤさんがハンカチで口元を拭いて、白野双子が勢いよく返事する。

 どうやらすでに完食したらしくミートソースが付着した皿は、悲しさを物語っている。

「とてもおいしかったです。」

「記事に載せる価値ありだね!だね!」

「見出しが悩むッスよ~!」

 なんていうか、はた迷惑だ。

 福音の刺客っていうより本人達の性格上、迷惑な人らが来てしまった。

 


「さて我々、新聞部と。」

「「白野ツイントラップ隊が今回の福音の刺客なのだよ!」」

「なのだよ!なのだよ!

せ~いっぱい懲らしめちゃうんだから!ら!」

 意気揚々と語る彼ら6人、ヤヤさんを除いてミートソースがべったりで締まらない。

 よくよく考えれば今までの敵に比べると、厄介なだけで脅威ではない。

 今までの純粋に強かったり、突然列車止めてボクシングしてきたり。

 そう言った相手に比べたら、ただ罠設置して飛んで紙飛行機投げつけて物質変えるだけでしょ?

 デメキン一発殴ってピンボール式に相手を弾き飛ばせば、秒で終わる戦闘だ。

 罠なんて初めて出会った時も、土地ごと破壊してきたし……。





 ――ん?土地ごと破壊?デメキン……ここは天空。





 ちょっと気になったことがあって、ネイビーさんに尋ねる。

「ここで暴れたら……。」

「駄目ですね。

貴女方のような異常な筋力で、暴れられるとここが墜落します。」

 あ~~~~、まずいぞぉ~~~!

 罠を破壊しようにも私の脳筋破壊方法をしてしまうと、ここが墜落するのかぁ~!

 デメキンは普通に放つだけで軟らかい地盤だと風圧で亀裂が走ったりすることが多々ある。

 ここは空中に浮いている。

 つまりそれだけ柔らかく軽い素材を使っているってこと。

 ここでデメキンを一発でも放つと崩壊して落ちるってことねぇ~!

 そしてこのトリッキーな同級生たちを相手取るってことね~!


 

「あの、彼女たちは誰なんですか?」

 ああ、そういえば恋敵の奴は何も知らないんだった。

 蒲公英姉妹の時とは逆に私の方に情報のアドバンテージがある。

「彼女たちは新聞部とユウジの子供。

真ん中あたりの双子と妹。

双子達はトラップ使い。

その妹がブレイン。

新聞部は全員Id持ち。

鳥のように空を飛び、紙飛行機を転送し、物質を入れ替える。」

「その説明ではいまいちピンと来ません。

あんたは国語の勉強をしたほうがいいですよ。」

「国語の成績が悪いのなんて百も承知よ!」

「しかし、厄介な敵だということはなんとなくわかります。」

 私達は頷きあい、彼女たちも笑う。


 

 ヤヤさんが笑い。

「それでは福音の名のもとに。」

 マロンちゃんがカメラを構え。

「スクープの時間っスよおおお~~!!」

 ナナナちゃんがはしゃぐ。

「よー!よ~~~!!」



 ◆◆◆



 相手は武闘派ではない、ただこっちは物を破壊できない。

 マチルダさんの時も似たようなことが起こったけど、物が破壊できない制約が付くだけでこんなにも面倒になるんだ。

 食堂の人達はこのはた迷惑な方々によって、既に退避している。



 問題は物を壊さないとなると使えるのは、相手のツボを突き身体に不調を与える『チョウテンガン』か手刀の『リュウキン』しかない。

 あとはド派手に破壊!粉砕!滅亡!絶滅!を与える技ばかりだ。

「(小声で)……提案です。」

「なによ。」

「(小声で)私の技をいくつか組み合わせたら一気に2,3人は落とせます。

隙が大きいのでチャンスを作ってくれませんか?」

「……あんたに従うのは癪だけど協力してあげる。

まずは新聞部とトラップそれぞれの頭!

あの青い服を着たヤヤさんと、あのメカクレを落すよ!」

 私達が駆け出すと同時に私達の360度のいたるところから、紙飛行機が飛んでくる。

「オコトバヒコーキ!添付:麻痺毒!」

 ヤヤさん!最初に自分が狙ってくるとわかって、ここにあらかじめ紙飛行機を転送していたな!

 大量の紙飛行機が迫ってくる!

 おそらくこの飛行機の先端に塗っているのは、麻痺毒か!



 高達流闘術を使って蹴散らしたいところだけども、もし使ったら食堂が吹っ飛ぶ!

 私が考えていると、恋敵がロープを取り出し鞭のようにしならせて紙飛行機を叩き落とす。

 しかし落ちた紙飛行機を回収して、ナナナちゃんは私達の間をするりと抜けてとっさに箱に詰める!

「まずい!」

「何ですか!?」



 ナナナちゃんは後方へ距離を取ると、指を天につき上げる!

 あまりかっこよくないポーズだが、Idの前動作だ!

07(サーチ・アソシエイト)Idアビリティ『るイジくるくるボックス』!!」

 何が来るんだ?

 ナナナちゃんの能力は箱に入れたものを、連想ゲームの要領で取り換えていく!

 やばいのが来たら無傷で勝てるか怪しい!



「『麻痺毒入りの紙飛行機』をくる~くるりん~!

→『着弾したら神経毒を散布するタイプの小型ミサイル』へ、お取替え~!」

「「「何ちゅーーもの、出しているのッ!!?」」」

 


 箱から3の子犬サイズの小型ミサイルが飛び出してきて、敵味方ともどもが騒然としてツッコむ!

 そして科学兵器搭載のミサイルも私達へ勢いよく突っ込んでくる!

 こんな天空に位置する場所で、それを放ったら被害がやばいことになっちゃう!

 相手も驚いているし、本当にランダム性高いなこの能力!

 着弾させないようにしないと!友達までも巻き添えにしちゃう!



 ――大きく息を吸い込み金魚モードになる。



 ミサイルとかってのは着弾した瞬間に、衝撃で信管が押されて爆発するってのが基本だ。

 燃料で飛行距離ってのは決まっている。

 内部にはおそらく爆薬と飛行用の燃料、毒薬が詰まっているから見かけよりも長距離飛行はできない。

 つまりこういうのは燃料タンクかエンジンのあたりを破壊し、飛行不能にしてしまえば信管が押されることはないはず!

「よっと!」

 ミサイルを回避し、そこについている小さな羽を掴み、下部にあるエンジン部分へ手刀を繰り出していく。

 ビンゴ!予想どーり!燃料が少なくて危険性が少ない!

 理系で良かった。

 


 軽くステップを踏み、新しいミサイルの羽を掴み同じようにぶち壊す!



 ただ私が壊している間にミサイルが横を通り過ぎる!

「しまった!」

 後ろにいた恋敵の方に、最後のミサイルが向かっていく!

「避けて!」

 恋敵は逃げることなく、羽を掴む!

 だが、エンジンのあたりを攻撃しようとしない……。

「こ、これはどうやって破壊すればいいんですか……?」

「文系か!」

 私の持ったミサイルを置いて、さっきと同じ場所を破壊する。

「こんなのちょっと考えればわかるでしょ!」

「そんなの分かりませんよ!マシンとかSFとか!」

 意外に馬鹿だな、こいつ。

 こーゆところがサイムをわかってない感じがする。

 あ、そういえば敵!

 ヤヤさんへ向かわなきゃ!





 ――ん?あれ?

 




 ミサイル騒動の最中、ヤヤさんどころか敵全員がいつの間にか散開している。

 逃げ足が速い。

 


 そして足元には紙飛行機が落ちてる。

 毒が付いていないことを確認し拡げてみる。

『福音の刺客よりも、記者としてここの図書館の取材を優先させていただきます。

ヤヤより。』





 ……。





 ジャーナリストこわ……。

 戦闘よりも取材が優先なの何なの?

 なんか、寂しいって思いと無視された残念さというか不甲斐なさというか、そう言うのが胸から込みあがってくる。

 あのどさくさの中、逃げ出して取材……。

 恋敵が手紙を覗き込む。

「マ、マジですか……。

逃げ足速すぎでしょ。」

 図書館を取材するってことは上のエリアか!

 ご飯も食べてないのに、なんで鬼ごっこをすることになるのよ!

「上の階へ行きましょう!」

 ネイビーさんの掛け声とともに、食堂を後にしようとしたとき。



 

 

 ――ガコッ。



 


 という音がした。

 その音と同時に床の感触が消え去る。

「「「ん?」」」

 地面を見てみると雲が見える。

 床が観音扉のように空へと開かれていて、思わず目が点になる。






 ああ、急いでいてこの落とし穴トラップには気が付かなかったなぁ。

 あの双子共かッ!

「「うわああああああああ~~!!」」

 ネイビーさんを含めた3人共が体が空中に投げ出される。


 

 金魚モードへと戻り、空中移動のできるパンダチョウビの構えになる!

 空中でネイビーさんをキャッチして、図書館へと戻る!

「パンダチョウ……!?」

 なんだ!?下へ引っ張られる!?

 


 あ!呪いの影響で恋敵に引っ張られるんだ!

 あいつなんでパンダチョウビをしないんだ!?

 


 ……もしかして恋敵(あいつ)、パンダチョウビができないのか!?


 

 下にいるあいつは何もできずに空中でもがいている。

 まずい!このままだとネイビーさんとあいつともども、落ちて行ってしまう!

 すでに頭上には巨大な図書館が浮いている!






 

 私は手を伸ばす!

()()ーッ!!手を伸ばしてッ!!」

 私は空中でネイビーさんとニチの手を掴み、改めて足に力を入れる。

「拾伍匹目!パンダチョウビッ!!」

 空気を蹴りだし食堂までジャンプをする。



 扉の前に着地し、軽く息を吸い込む。



「ありがとう、ございます。」

 堕ちた時に少し気暑さでおかしくなった体調を、一呼吸で整えて立ち上がる。

「ここから逆転するよ!」

「当然です!」

 硬く手を握りあい、扉を開く。


 





 ――とにもかくにもあの6人は、なんか腹が立つからぶん殴る!!

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この物語の『更新』は現状『毎週金、土、日』に各曜日1部ずつとなります。

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