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【完結】無双無敵少女は超超超絶な青春を諦めないッ!!  作者: ラクルドゥ
第九章『心という道のりと仲の悪い少女』
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第159話『読んでたら来てしまった少女』



 え……。



 レイトさん、あなた何ていう物を使ったの?

 ほんとにこんなものを使ってしまったの?

 これって誰かが死ぬ代わりに、誰かの記憶を永遠に誰かに植え続ける。

 つまりそういうタイプの胸糞アイテムってことだよね!?

 純粋地獄じゃん!

 そりゃ、恋敵も焦るわ!

 私の弟子マジで何してんの??

 あの人サンドバックにした覚えしかないけど!

 デメキンで何度も殴って骨を折りまくったことくらいしか覚えてないけど、本当に何してんの?

 


 というよりさっきから気になってたこの情報提供者T・S氏……。



 さすがの私もこのイニシャルは見覚えがある。

 これ、武山 才無っていう意味じゃあないよね?

 いやそうだろうな~。

 恐らくこれサイムと隣にいるこいつが一緒に来た時に、色々と話した結果で出来た本じゃない?

 共同著書欄にネイビーさんの名前あるし。


 

 そういえばIdでも復活できるって言ってたけど……。



 え?この本これも載ってるの?



 

 

 ◆◆◆



 ――特殊な生き返りについて。



 散々にわたって生き返りはできないと説明してきたが、この世界以外の力。

 概念を超越し改ざんできる力があれば可能だ。

 その力は『Id』通称『Innovation deta』と呼ばれる力だ。

 これは別の世界の概念をもとにされる特殊能力だ。

 個人によってその特殊能力は違うものだが、過去にそれで生き返ったとされる事例が存在する。

 概念を超越した『Id』の種類に関しては別著書を参照してもらいたい。



 ◆◆◆


 

 別著書!?ここでそれに誘導!?


 

 と、思っているのを見かねたネイビーさんがある本を差し出してくる。

 タイトルは『Innovation deta』と書いている。

 どうやらこれがその別著書らしい。

 あまり分厚くはないな。


 

 ◆◆◆



 ――Innovation deta。



 通称、Idと呼ばれているもの。

 後天性の特殊能力であり、別世界の概念や思考実験、理論を元にした能力である。

 一定の条件さえそろえば使用可能な能力で、能力の使用の際必ず特定の動きを挟む。



 ――Innovation detaの種類。



 主にIdは12×12種類のカテゴリーで構成されている。

 これらは第Ⅰ種能力と第Ⅱ種能力とされている。

 第Ⅰ種能力:対象や範囲、威力や利用しているもの。

 第Ⅱ種能力:現象や効果など。

 これら第Ⅰ種能力×第Ⅱ種能力を組み合わせた結果がIdの能力のカテゴリーとなる。

 Idを使用する際には第Ⅰ種能力のみを開示することが多く存在する。

 何に対して使えるのかだけは、どのようなことがあっても魂が覚えているのであろう。



 ――第Ⅰ種能力の種類。

 ヌル:世界の法則に介入する能力。

 ザ:ただ単純に強い能力。

 モノ:自分を強化する能力。

 スナッチ:奪う能力。

 サーチ:調べる能力。

 バフ:他者に与える能力。

 コミュニスト:繋がりをもとにした能力。

 サイエニス:化学現象を基にする能力。

 ループ:循環を発生させる能力。

 フール:何が起こるかわからないランダム性の高い能力。

 エンカウンター:人や動物を召喚する能力。

 タイム:時間を操る能力。


 

 ――第Ⅱ種能力の種類。

 クリエイター:創造をする能力。

 ノットメイン:多様な能力の寄せ集め。

 ポイントアンチ:特定の自称や出来事のみ対応できる能力。

 カース&シンドローム:病気や呪いに関する能力。

 スペシャリスト:一般職業に関する能力。

 エネルギスト:エネルギーに関する能力。

 シール:封印に関する能力。

 プロパゲーション:増殖に関する能力。

 アイテムマスター:道具と組み合わせる能力。

 ウォーズコマンド:戦争に関する能力。

 セルズルルブ;空間に干渉する能力。

 ソウル&ハート:心や魂と組み合わせて使用する能力。



 Idはこれらからこのように組み合わせて使用することがある。

 例:ヌル×クリエイター。

 例2:ザ×ノットメインなど。




 

 ◆◆◆



 あー、言われてみれば今まで出会ったマロンちゃんとかも。

 『09(モノ・ウィング)Id』とか言ってたっけ。

 そうするとマロンちゃんは身体を強化、あるいは変化して空を飛んでいるってことね。

 じゃあ私と恋敵の戦闘に割って入ったクノレお嬢様とムケイ執事はたしか……。

 『05バフ・コングロマリットId』と『(コミュニスト)(・プロパガンダ)Id』だから……。

 他者に与える能力と、他者とのつながりを扱う能力。

 何というか、相性がよさそうだ。

 第Ⅰ種能力のみを開示することから、第Ⅱ種能力がわからないのはあれだけども。

 ん?ちょっと待てよ、創造主アルゴニックさんの能力って……。

 『00(ヌル・パラドックス)Id』だよね?

 ヌルは世界の法則に介入する能力。

 それを私達にかけた?

 なにそれ、怖い。

 何をしたかはともかく、何をされたかいずれきかなきゃな。



 ――こうやってみんなの能力わかるのおもしろいなぁ。



 私の能力は『12(ループ・ロード)Id』。

 つまり循環を司る能力。

 生き返りが循環というならなんとなくそれっぽい気がする。

 第Ⅱ種能力が自分でも不明なのが怖いな。

 でも本当に生命を循環するっていう意味なのかな?

 みーさんの見立てが宗教哲学らしいし、そうなんだろうけど……。



 でもIdって確か発現するために特殊な条件が必要だったような……。

 ページをめくって確認してみる。





 ◆◆◆





 ――Idが発現するメカニズムに関して。



 Idは発現するためにいくつかの条件がある。

 1、絶望的で暗くマイナスの感情を保有していた経験がある。

 2、絶望の底から這いあがり進むことができる可能性がある。

 3、ほかのIdを持つものとの何らかの関わりがあること。



 それらを持つもので、一定の確率でIdを発現し最も己の中にある哲学と近似値の別世界の哲学と組み合わさったことによってIdが発現する。



 ――反作用、ペナルティ。



 Idを使用すると往々にして反作用、通称ペナルティというものを食らうことがある。

 これは使用した結果自分の力が跳ね返ってしまうのだ。



 ◆◆◆



 ああ、そうそう。

 そうだった、確か新聞部部長のヤヤさんがそう言ってくれた。

 


 ん?なんだこの文?



 ◆◆◆

 




 ――Idは全ての力を超越できる。

 創造、終末の力さえも超えてしまう。





 ◆◆◆



 なんだろう?これは……。

 どんな力も超える?

 この『創造、終末の力』ってことは『エイドスドアルーム』のことかな?

 エイドスドアルーム以上にIdは強力な力なのか……。

 一応覚えておこう。



 私達が本を読んでいると突然。



 ――チン!


 

 というベルの音が鳴り響く。

 前を向いて、ネイビーさんを見てみると。

 『お昼休憩の時間です。食堂へ向かいましょう。』

 という立て札がある。

 頷いて、周囲の客ともどもネイビーさん達と共に図書室を後にする。



 ◆◆◆


 

 空中回廊を渡り、下の方へと降りていく。

 なんだかいいにおいがする。

「ここの下には食堂などの生活必需品スペース、真ん中が一般人公開エリア。

そして上部には当方達司書の私室と膨大な禁書エリアが広がっています。」

 あ、そうか。

 もう図書室抜けたから喋っていいのか!

 食堂も楽しみだ。

「そういえばそちらはどうでしたか?」

 恋敵が聞いてくる。

「天筆ってのがやばいもので、生き返りがいかに難しいかがよくわかったわ。

あとIdに関してもよくわかった。

お前の方は?」

「厄介なことにめぼしいことは何も。

大罪達の犯罪行為の一覧や、エイドスドアルームに関してはショーワ町でのかつての出来事ばかりで、ほぼ収穫は0でした。」

「あーそうだったんだ。」

「だけども8番目の大罪の席は空白でした。」

 まぁそれは本人達がそう言ってたし、そうなんだろ?

 じゃあ14番目の大罪である『福音』は何者なのかな?



 考え事をしていると不安定な足場の中、風が吹いて少しふらつきそうになる!

「あぶな!?」

「ちょ、大丈夫ですか!?」

 手すりが滑り思わず恋敵に支えられる。

 その行動にびっくりして手をはねのける。

「な、なに突然支えてるのよ。びっくりしたぁ。」

「お、おちたら私も落ちるんで……。」

「そ、それもそうか。」

 ネイビーさんがすこしくすりと笑う。

「落ちないでくださいね。ここは高度6000m。

空気浄化と気圧調整の機構を備えていますが、落ちた瞬間にあなた方と言えども、減圧症や低酸素に苦しめられるでしょう。

機構も完璧では無いので、稀に強風が吹きますし。」

「あー、こわ……。」

 驚きつつも食堂へつき、ネイビーさんが扉を開けて案内してくれる。

「食材自体の量は少ないですが。

どうぞ、天空図書館の食事をご堪能ください。」





 そして扉の先には……。





挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

「ガツガツ!」「ムシャムシャムシャ!」



挿絵(By みてみん)

「ガツガツいいながら飯食う人ら初めて見たッス!スクープっスよ!」



「せいぜいゴシップコラムネタね。

マロン、そのコラム欄は今回の特集の目玉じゃないからほどほどにしておきなさい。」



挿絵(By みてみん)

「えっと、うちの双子の兄姉が汚い食べ方ですいません!ほんとに!」

「ナナナはこの天空図書館の特集は売れると思う?」



挿絵(By みてみん)

「ヤヤちゃん!それはもう右肩なんだよ!なんだよ!」



挿絵(By みてみん)

「そうだね。料理もおいしいし。」

 そう言いながらメモを取りつつ、行儀が悪くご飯を食べまくってる知り合いというか友達らがいた。

「「って!料理がっつり食べられてる!!」」

「あああッ!!当方の晩御飯の食材がッ!!」

 食堂でバクバクご飯を食べている彼ら。

 福音の次の刺客はどうやら白野兄妹の真ん中+新聞部の皆さん。

 私の方の知り合い合計6名のようだ。


 

 白野兄妹(真ん中)は実動部隊の双子と知能に優れた妹で構成されたトラップ部隊。

 そして新聞部は3人全員がId持ちで、トリッキーな攻撃が売りだ。

 まさしくさっき読んだようなIdを持つ彼女たちが来てしまったのだ。



 金魚モードが一定時間しか使えないこの状態で、組まれると厄介の塊な人らが来ちゃったっぽいッ!




 


 ――っていうかこれ、私達の分のご飯とかネイビーさんのご飯も彼らに食べられちゃってない?


 


 

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この物語の『更新』は現状『毎週金、土、日』に各曜日1部ずつとなります。

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