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【完結】無双無敵少女は超超超絶な青春を諦めないッ!!  作者: ラクルドゥ
第八章『心がぶつかり合う最上少女と最高少女』
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第143話『もう一人の金魚少女』



 

「殺してやるッ!!」

 私はすぐさま接敵……間合いに入り、敵を殺しにかかる。

 




 こんな奴を私は認めない!!粉みじんにしてやるッ!!





 敵は唖然とした様子で立ち尽くしており、私を目で追う。


 

「高達流闘術ッ!!壱匹目ぇッ!!」



 右腕の血のめぐりを最大にして、腕に力を溜め筋肉を今まで戦ってきたどの敵よりも収縮圧縮させて力を拳に溜める。

 肩、関節、腕、動体、足、すべてにおいて最大級の力をぶつけて亡き者にしてやる!!





 滅べ、恋敵を名乗るみじめな女ァ!!



「デメキンッッ!!」

 


 最もはなってきた必殺技を敵へぶつけるッ!!

 サイムの恋人は私だ!!潰れろ!!

 









 音が消え、埃が舞い、それがはれていく。








 

 塵になったか?

「……なるほど、この程度なんですね?」

「……え?」



 流石に少し冷静になる。





 私の。





 ――この私の一撃を耐えた?





 今まで多くの命を奪ってきた私の渾身の一撃。

 一番今までで威力の高いデメキンを……。



 この女は耐えた?



 

 

 それどころか、片手で受け止めた?





 


 ――は?





「ふぅーーー、さすがに強いですが……。

私ほどじゃ無くて助かりました。」



 それはいつも私が思っている言葉だ。



 なんで向こうの口から出てくるんだ?



「改めて名乗りましょう、私の名前は草島日。

武山冒険社、社員No.3。

ヒトメ、貴女が『最上の少女』と呼称するなら。

私は『最高の少女』とでも名乗らせていただきます。

以後よろしくお願いします。」




 ――こいつ、強い。





 少なくとも私と同じくらい。




 

 ――強い。





 あるいは……いや、そんなわけがない。





 ふざけるな。



「ふざけるなァァ!!

高達流闘術!!弐匹目リュウキン!!」

 最速の貫手を繰り出すッ!!


 

 よけさせない!!受け止めさせない!!突き破って殺す!!

 



「遅い!」

 私の貫手を放った腕を持ちあげるように、私の技以上の速度でアッパーをしてずらした!?

 何!?こいつ!?

 私の彼氏をたぶらかすだけじゃなくて、私の強さをも越えようとしているのか!!

 アバズレクソ女がァ!!

 生意気なんだよッ!!



 私がもう一度、技を振るおうと構えた瞬間、一瞬姿が消える。


 

「今度はこちらから行かせていただきます!!」

 


 私の下にすでに潜り込んでいる!?

 しゃがみこまれて射程圏内に入られた!?

 この私にすでに接敵している!?







 それに、あの構えは……。

 





 

()()()()()。」

「ッ!?」





 私の口から出た技名じゃない。



 それは相手の口から出た最もなじんだ流派。

 そして私がいつもやる筋細胞の収縮。

 


 間違いなくこれは私の、高達流闘術と同じ……。


 

 いや、うそだ。

 

 

「壱匹目。」

 ならば私も!

「壱匹目!」

 覚悟を拳に乗せろ!!さっき以上の力を超えて放て!!





 

「「デメキンッッ!!!」」




 

 


 2つの拳から放ったデメキンが互いに喰らい合う。

 2匹の金魚がもつれあうように体当たりをして、食らい合う。

 衝撃波が巻き起こり、足場にひびが入っていく。

 振動で耳に入る音や空気が遠のく。

 手から血が噴き出し、骨に細かいひびが入っていく。

 

 



 これは間違いなく私が作った私専用の武術。

 すべてを粉砕してきた打撃技。

 デメキンだ。




 

 ――まさか私以外に使える人間がいたなんて……!?



 


 まずい、手に大きな負傷がある。

 血が出ているし、手の甲の肉がさけて骨が少し見えている。

 こんな異常なダメージは何だ?

 打撃でここまで明確なダメージはない。

「……さすがヒトメ。

この私に多少のダメージを与えるなんて……。」

 ひどい皮肉だ。

 いつも私が言ってる言葉が、そのままかえってくる。

 相手のダメージの方が明らかに少ない。

 なんてやつだ。



 距離を取り、構えを取る。



 高達流闘術同士。

 サイムの恋人を名乗る同士。



 どこまで私の心を怒らせれば気が済むんだ……こいつ!





 ――互角の力。





 こいつはここで倒さなければならない。

 私だけの武術。

 それさえも奪われてなるものか。



「「高達流闘術ッ!!」」

 互いに(互い)へと駆け出す。

 こんな相手に空中戦はやめた方が言い。

 天井があるし、上に飛んで逃げ道を作ってはダメだ!

 パンダチョウビみたいな空中移動技の隙を狙うことだってあり得る!



 ならば!



「漆匹目!」

 がれきを拾い上げる!遠距離技であるこの技で仕留める!!

 狙いを定めて発射する!相手はこちらへ走ってくる!

「コメット!」

 私が瓦礫を発射すると同時に、相手は私ですら考えつかないことをしだす。

 腕を折り畳むような、見たことのある構えを取る。

 ここでその技は普通しない!

「陸匹目!」

 いや、まて!

 その技で私が発射した瓦礫を押し出したら……。



 まずい!!



「ランチュウ!!」

 ダブルパンチで私の発射した瓦礫を撃ち返す!

 まずい!私以上の発射速度で瓦礫が迫ってくる!

 それを察知し身体が条件反射でよける。

 

 

 しかし、避けた先に明らかに異質な感じがする。

 ランチュウは()()()だ。

 つまり奴が迫ってくる!

 理解した時には、すでに目の前に拳を放っている!

「ニシキ!ぐぁ!?」

「うぐ!?」

 ニシキで受け流した結果、互いに浅い入り方だ!

 鎖骨に喰らった……!

 互いの力でノックバックをする。







 そして私は奴の顔を見て、そしてランチュウという技の特性を思い出し、改めて気づく。







 高達流闘術、伍匹目以降の特性を思い出す。

 伍匹目以降から私の武術は。

 あれがなければ使えない。

 殺し屋との対決で苦戦していたことを、思い出す。







 奴の目。

 それは私と同じように魚類のように揺らいでおり、えら呼吸のような口。

 それはまさしく。

挿絵(By みてみん)

「『金魚モード』だと……!?」

「これ、便利ですよね。

おかげであなたに並び立てることができました。

感謝していますよ。ヒトメさん。」

「泥棒!

私が苦労して開発した技だけじゃなく、私の金魚モードまでも!」

「いい加減にしなさいよ!!

全部あんたの専売特許じゃないんです!!

サイム君だって我が物顔で物事を推し進めて、心に傷を残して彼女面してきたんだ!!

今あるべき私や彼の幸せを喜べないくせに!!」

「黙れッ!!それが私の全部だ!!」

「ずいぶんと視野の狭い言葉ですね!!」

 怒りに任せて地面を思いっきり蹴って互いが接敵しあう!

 


「「高達流闘術ッッ!!!」」



 相手が私の上を取る!

 間違いないこの構えは!

「伍匹目!ハナフサ!!」

 空中連続蹴りのハナフサ!ならこっちも連続技だ!

 奴は重力の分、威力がある!

 こっちの攻撃でダメージを分散する!

「参匹目!ワキン!!」

 蹴りに合わせてパンチで応戦する!

「「うおおおおおおおおおおおッッ!!」」

 潰れろ!潰れろ!!潰れろォ!!

 手数、いや足数が多い!

 対処するのがこんなにもギリギリになるなんて!

 だが負けてられない!

 足は力があるが、器用な攻撃に不向きなんだよ!

 それは主に横からの攻撃!



「ぶっつぶれろ!」

「むッ!?」

 フックをして、蹴りを繰り出した相手の足をとらえて、パンチを当てる!

 だが……!

 蹴りの対処に夢中で気が付かなかった。

「コメット!!」

「うぐッ!」

 相手の指から弾かれた瓦礫が私の腕に当たる。

 恐らくハナフサを繰り出す前に握られていた床の破片だ。


 



 腕は使えない!こうなったら!

「「高達流闘術!肆匹目!ニシキ!!」」

 相手も同じ蹴り技の最高峰!ニシキ!?

 まずい!相手はまだ空中!!ダメージを与えたとはいえ、もう片足が残ってる!!

 はやく死んでよ!!

 私の彼氏を盗った忌々しい存在!!

 




「あぐぅぅ!?」「うぉおっ!?」

 私達の蹴りがぶつかり、2人分の血管が破裂し思いっきり出血する!

 幸い肉と骨は無事そうだけど、この戦闘中足技するのは危険すぎる!

 最悪出血多量で死にかねない。



 ノックバックし相手は後方の隅まで追いやられている。

 今の間合いから考えると、あの技が有効ね。



「高達流闘術!拾壱匹目!!」

 大きく息を吸って手に空気を溜めて圧縮し、プラズマにする!

 遠距離最高威力のこの技で今度こそ葬り去って見せる!

「スイホウガン!!」

 プラズマ化した空気を射出し、相手へとぶつける!

 さっきの足技の疲労から回復しきっていない今なら!





「高達流闘術!」



 相手は腕で頭を守るように覆い。

 体を丸めて、上腕に力を溜める。


 

 なんだ?あの構え?私は知らないぞ?



拾陸匹目(ジュウロッピキメ)!」



 ――知らない。



 これは創始者である『私が知らない高達流闘術』だ。

 全くもって理解ができない16番目の高達流闘術!!

 それでスイホウガンに対処しようとしている!?

 何だあの構えは!?防御か!?攻撃か!?



 スイホウガンのプラズマが命中すると同時に信じられないことが目の前で起こる。





 ――跳ねたのだ。





 防御のように構えた腕に接触すると同時に、丸まった敵の身体が、お祭りとかで手に入るスーパーボールみたいに勢いよくバウンドしたのだ。

 私の当てたプラズマの威力と速度が敵の肉体を壁へと吹っ飛ばし、そのまま勢いよくさらに別の壁、床、天井へバウンドしていく。

 少なくとも巨体ではないが人体の質量を持つ存在が加速して、予測不能な軌道を描いてこっちへツッコんでくる!?



 これは!この軌道に速度に威力に質量は危険すぎる!!



 


「セイブンギョ!」


 


 

「デメキ、ン!」

 敵が接敵すると同時に何とかデメキンを放つが押し返されて、地面へたたきつけられる。

 これは私の技の中でありそうでなかった『タックル技』だ!

 ただ跳ねてぶつかってくる。

 言葉にすると簡単だが、思考も許さないレベルで速く強い。

 私の技の威力をも吸収し、利用してくる。

 


 相手をデメキンで何とか弾いて2人とも床に転がる。

 技の威力を殺した結果、倒れてはいるが立ち上がれるだろう。

 私と同じように互いが互いの間合いに入っているこの状態。

 確実に決めるなら今しかない!

「いつつ……。やってくれましたね!」

「それはこっちのセリフ!」

 


 本気を出す!!



 本気でここで殺してやる!!




 

 息を大きく吸い込み吐く。



 心臓に力を籠める!

 体温が上がって蒸気が出る!

 口からの呼吸が増えていく!



 


 ――答えろ!






 

 ――私の恋心!!





 

 


12(ループ・ロード)Idアビリティ!!リベリオンッ!!」

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この物語の『更新』は現状『毎週金、土、日』に各曜日1部ずつとなります。

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