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【完結】無双無敵少女は超超超絶な青春を諦めないッ!!  作者: ラクルドゥ
第八章『心がぶつかり合う最上少女と最高少女』
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第142話『封印されし遺跡の少女』



 ――運命の朝。


 

 朝起きたら、創造主さんがげっそりした顔で朝帰りだったり、ソライがやり切った顔だった理、ユミさんが布団ぐるぐる巻きだったり、ユウジが朝食を用意していたり、イチちゃんが隣で寝ていたり変な朝だった。



 それはさておき、今私達は全員で山道を登っている。

「らんらんらん♪サイムに会える―!サイムに会えるぅ―!」

「クァア!!」「ギャアア!!」「ガオオオ!?」

 サイムに会えることに喜びを感じながら、スキップを踏みながら私を襲ってきたライオンさん、トラさん、マンティコアさん、コカトリスさん、亀さん、蛇さんを粉砕させていく!

 あーこんなにいい日はないなぁ~!

 ここはサイムがいる場所までの山道~!みんなは私の後ろにいて、ソライが支持する方へ向かってる。

 あ、ゴリラさんがドラミングしながら突撃してくる~。

「オおおおおお!!」

「もぅー!そんなに祝ってくれるなんて嬉しいなぁ~!」

「ぐぉ!?」

 軽く顔をぶって頭の骨を変形させて類人猿風情の血液と巨体が宙を舞う。

 ゴリラさんを踏みつけて、高らかにスキップする。

「そして私は敵の存在を~、いや、どうでもいいや~!

サイムに会えるぅ~!彼氏に甘えられるゥ~!うへへへ~!

なにしてもらおうかなぁ~?」

 けもの道を歩く中、後ろからみんなの話し声が聞こえる。

「ご機嫌だね、ヒーちゃん。」

「ああいうヒトメはめちゃくちゃ怖い、法定速度を破った車がフラフラの状態で歩道を走ってるみたいなもんだ。

むやみに近づくなよみんな。」

 まぁ何言われようと今の私は気分がいいから許しちゃうもんね~!





 しばらくそんな調子で山を歩いていると見えてきた。





 巨大な球体が。

 それは森の中に異質に鎮座していた。

 世界を創造し破壊するための機械。

 旅館までの道中でソライから話を聞いていたけど、まさかここにもあるとはね。

「エイドスドアルーム……。」

 ショーワ街のよりボロボロだ。

 所々に木が生えていて、ここから見てもわかるほどに崩れている。

 あと何ていうかショーワ街のは赤と青色って感じだけど、こっちは黄色と緑って感じだ。

「さぁまだまだ歩くよ!」

 なお、歩き始めて1時間近く休憩なしでここまで来たけど、こんなの止まらない!

「ヒーちゃん、わかるけどここまで早歩きでみんな疲れているから少し止まって……。」

 うーーーイチちゃんの頼みならば仕方がない。



 山の上で、みんなでお座敷を広げてピクニックをする。

 サンドイッチを片手に、向こうにサイムが愛を放っているのを感じる。

 しかしなぜこんなところにエイドスドアルームがもう一つあるんだろ?

 無駄に壊れているし、なんだか古い感じがする。

 それにショーワ街のと比べて、なんだか少し元気がないっていうか……。

 あっちはエネルギーで満たされている感じだけど、こっちは電池?が少ない感じがする。

 ……あ、このサンドイッチスパイスが効いてる、程よいからさと干し肉のうまみがかみ合ってる。

 キャベツもしゃきしゃきでおいし~!

「「「ごちそうさまでした~!」」」

 また歩みだす、彼の元へと。

 

 

 


 ◇◇◇



挿絵(By みてみん)

 また山をくだり2時間以上歩き、ようやくたどり着く。

 その巨大な球体に。

 パンタギア共和国、聖地エイド。

 そこにあるもう一つのエイドスドアルーム

「ここが入り口らしいな。」

 エイドスドアルームに開いた巨大な穴。




 入口の前に何かある。

「……サイムの痕跡があるよ。」

 ソライのその言葉に対して私も痕跡に近づく。

 それは私達の国の言葉で書かれた看板だった。

『馬鹿共へ、この先へ道なりに進んでいってくれ。

腹減っているんで飯も用意してくれ。

できれば肉がいい。』

「おお、サイムの字だ!」

 汚い字だけどなんとなく覚えがある!気がする。

「相変わらず厚かましい……。」

「一応、サンドイッチの残りあるからそれでいいだろ。」

「ほんと、何やってるんだあの馬鹿は?」

 武山冒険社のみんながシラケ顔になる。

 まぁいいや、先に進もう!

「いくよみんな!」

「お、おう!」

 活劇隊の7人、冒険社の5人、あとアメキチさんと共に13人で大移動をしていく。




 

 ショーワ街のと似た雰囲気だけど、明らかに壊れている。

 なんていうかヒビが入ってるし、ショーワ街は歩きやすかったのに、こっちはボロボロ崩れて歩きづらい。

 廊下の大きさはだいたい車2台分くらいに大きい。若干の坂道だ。

 あっちは明るかったけどこっちは暗い……。

「ヒトメ、僕が先行する。」

「え?なんでソライなんかに……。」

「君が先行するのは勝手だけど、君が先行した結果、後ろにいるみんなが傷つく罠がある危険性が高い。

サイムが罠を解除しているとは思うけど、あいつが知らない罠がないとも言い切れないけどね。」

 そういえば、ソライは武山冒険社。

 そう、冒険のスペシャリストだ。

 罠とかを私は破壊してきたけど、私の不注意でみんなが危険にあっちゃならないよね……。

「頼んだよ、ソライ。」

「うん。僕は罠を解除できる優秀な斥候だからね。」

 ソライは意気揚々と進んでいく。

 しっかり周りに目を向けてる。

 同級生だったけど、成長したんだな……。





 暗がりの中、ランタンを灯し会話なく歩いていく中。

 ソライがぽつりとつぶやく。

「罠が大体解除されている、不器用な解除の仕方だが、ある程度安全そうだ。

ただ不気味なことに何かと争ったような跡がない。」

「それの何が不気味なの?」

「あんなに大きな入口が開いていて、なおかつ野生動物が入ってきてもおかしくないこんな遺跡に、そういうのが『侵入』した形跡すらないのは不自然だ。

虫すらいない。」

「サイムがずっと侵入を防いでいたんじゃないの?」

「……いや、そんな感じじゃない。

他にも不自然な点があるショーワ街のエイドスドアルームの硬度の点からいってもこのエイドスドアルームは不自然だ。」

「どういうこと??」

「ショーワ街のエイドスドアルームの壁や床はミサイルでも傷がつかない。

恐らく核爆弾でも破壊できない。

あのエイドスドアルームの内部に存在していた建材を、製造する機械でほぼ同じような素材を生成で来たからこそその強度が分かったんだけど。

だが、こいつはあまりにも風化しすぎているし脆い……。」

 あーだからイチちゃん達のラーメン屋とかエイドスドアルームと似た素材でできたんだ。

 つまり今のショーワ街はミサイルにも揺るがないビルなんだ。

 それ以下の材質になるまで脆くなったここは何だろう?



「……奥に何か部屋がある。」

「みんな、気を付けて。」

「大丈夫だよ、ヨゾラ、ハナビがついてるからね。」

「あの馬鹿は何故ここに呼び出したんだ?」

「さて何が待ってるやら……。」



 冒険社の言葉と共にみんなで進んでいく。



 ◇◇◆

 封印の間、彼女の視点

 ◇◇◆


 

 誰かの声が聞こえる。



 懐かしい人たちの声が聞こえる。



 ソライさん?ユミさん?ユウジさん?ハナビちゃん?アルさん?



 




 ……ヒトメ?


 

 ◇◆◆

 封印の間、ヒトメの視点

 ◇◆◆


 

「なにここ?」

 そこはどことなく、監獄で見た創造主さんが封印されたところに雰囲気が似ていた。

 というのも部屋の中央に水晶がありその奥に何かわからない、フラフープのような装置があったりする。

 いくつもののディスプレイが部屋に埋めこまれている。

 ヘッドホンがあり何らかの通信装置と思わしきものもある。

 所々に苔が生えていて、なんていうかどことなく汚い。

 サイムの姿はどこだろう?

「……ヒトメ、あれ見てみそ。」

 ソライが指さす方向には、ラジカセとほんのり湯気が出ている汁だけのカップラーメン。

 ランプと机代わりにしている木箱、やかん、寝袋が乱雑に捨ててあり、読みかけの本とキャンプセットらしきものがあった。

「サイムのかな……?」

「ああ、そうだろ。だって。」

 ユウジが拡げたのはラーメンの下敷きにしていた何かのマーク入りのハンカチだった。

「これ、サイムが使っているところを見たことがある。」

「おまけに木箱の匂いからしてこれは食料が入ってたんだろうね。

全部食い尽くしやがったっぽいけど。」

 まぁそれなら私が手料理作ってあげるし~。



 さていい加減、気になっていた部屋の中央にある水晶を見ないとね。



 水晶には何かがつながっており、それがドラマとかで見る心電図のように脈打ってる。

 なんだろうこれ?

 すでに近づいていたイチちゃんはそれを観察して唖然としている。

「イチちゃん?」

「ヒーちゃん、この中。

()が入ってる。」

「え?」


 

 私もよく観察してみると反射してて分かりづらいが、水晶の中に人が入ってる。




挿絵(By みてみん)



 その人は頭に二本の角があり、人種的に『鬼人』だというのがわかる。

 見た感じ女性っぽいシルエットだ。

 服は着ているっぽい?

 そして謎の女性が入った水晶の下の方。

 それも隅っこの方に書き殴りしたような付箋が張っている。

『ヒトメへ、これを触れ。』

「触れ?」


 

 ◆◆◆


 

 私は水晶へそっと触る。





「うわ!?」

「な、なんだ!?」

 水晶が光り輝き、ヒビが走り割れていく。

 まるで地響きのような音を鳴らし割れていく。

「ヒーちゃん!」

 イチちゃんを抱えながら水晶から距離を取る。



 サイムもいないし、一体何なんだ?



 不安に駆られながら水晶から少女が力なく倒れるように、ボトリと倒れ込む。

「……ハァーーーーー!

ケホケホ……!!

うぇっけほ!!はぁ……っはぁ……!」

 その少女は湿っており大きく息を吸い込み、咳き込む。

 



「まさか……。」

「いや……、もしかして。」

「こんなところで……。」

 なんだ?冒険社のみんなが目を丸くしてその少女を見る。







「はぁ……は……ぁ……。

あ…………おひ、さしぶり、です……みなさん。

けほ……。」

「「ニッちゃん!!」」

 その少女の元へ冒険社の5人が駆け寄る。





 そして、私は……。


 

 ◆◆◆

 ???の視点

 ◆◆◆



 時は来たな。ようやく待っていたこの日が来た。

「(小声で)合図をしたら、しかけるぞ。頼む。」

「「(小声で)了解。」」




 ===

 読者の皆様へ大切なお知らせ。

 ===

 次回、腹をくくってください。

 始まります。

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