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【完結】無双無敵少女は超超超絶な青春を諦めないッ!!  作者: ラクルドゥ
第八章『心がぶつかり合う最上少女と最高少女』
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第141話『再会前夜のウキウキ少女』



「ふぃ~~!」

 外国にも温泉があるなんて最高でしょ~~!

 私達は小さいスペースではあるけれど露天風呂にゆっくり浸かってる。

 おかげでほかほかだ。

「ヒーちゃん、温かいねぇ。」

「だねぇ~。」

 ここはいいところだ。

 サウナもあるし。




 

 サイムに近づいているって感じがする!

 テンション上がってきた~!

 




「うおおおおおおお!!サイムに会うぞおおお!!」

「お、おー?」

 思わず叫んでしまいイチちゃんを困惑させてしまった。

 サイムが近くにいるんだ。

 テンションをあげられずにいられない!

「イチちゃん!私サウナで整えてくる!」

「いってらっしゃぁ~い。」

 サウナへ向かいながら、チラッと大浴場に浮いている私になくてあったらサイムを篭絡するのが簡単な物体が、8つくらい浮いているのを目撃する。

 ヒルさん、ハナビさん、ユミさんはわかる。

 ヨゾラちゃん、そっちも大きいのか……負けた気がする。

 牛乳今から飲んだら大きくなってサイムを悩殺できるかな……。

 お風呂あがったら牛乳を飲もう。





 必然的にサウナは何故か、目のあたりの湿度がかなり高めに感じた。



 


 

 ◇◇◇

 数分前、男子風呂、創造主アルゴニック(作者)の視点。

 ◇◇◇


 


 あ、読者の皆さん初めに言っておく。

 男子風呂の描写なんてしないからな!

 無駄に文字数が多い本作ではあるが、このシーンに力なんぞ入れない!

 俺は風呂場で男のそれを観賞するなんて趣味がない。

 


「ふぅ~……。」

 ちなみに露天風呂につかり俺はゆっくりしている最中だ。

 なお義弟は風呂には入れられない。

 ぬいぐるみだからな。

 奴を洗濯するためには公衆浴場ではなく、自宅の風呂釜に洗剤やら何やらで手洗いをしないとあかん。

 ただでさえ面倒極まりないんだが、乾燥のために洗濯機で脱水しなくちゃならんという工程がある。

 脱水中、奴が絶叫し震えながら呪詛の様なものを唱えるから洗濯しづらいったらありゃしない。

 閑話休題。





 せっかくの露天風呂なんだから、面倒なことは忘れよう。





 空が青い。

 風呂場はあったまってゆっくりするに限るぜ。





「おい!」



 あ?





「アル!アルゴニック!」

「……?」

 誰かが俺を呼んでる?

 ん?露天風呂に備え付けられた茂み的な場所から手が伸びて手招きをしている?

 明らかに異常だ。

 これが某駅の出口だったら確実に引き返さないと0番出口に戻るレベルの異変だ。

「とっととこい!みんなが来る前に!すぐに帰すから!

……ってかなんで風呂に仮面をつけてんだよ!」

 身バレ防止のためだけど……。



 そう思っていると

「うおおおおおおお!!サイムに会うぞおおお!!」

 と女子風呂の方からヒトメさんのオタケビが聞こえる。

 元気な声だ。

「ひょぇ!?」

 ん?まさか茂みにいるこの声……。

「やべ!?感づかれる前に!」

「ちょ!?」

 俺は茂みの手に引っ張られる。






「協力してもらうぞ。」





 ◇◇◇

 風呂上り、夕飯時、ヨゾラの視点。

 ◇◇◇

 


 


 みんなで宴会会場のようなところで盛大に飲み食いするわけになった。

 ご飯は豪華で文句はないけど。

 ……はっきり言っていい?





 なんだかウチのところだけパパとママのお見合い会場みたいになってるんだけど。

 なにこれ?

 なんでみんな隔離するの?

 パパとママが向き合ってるこの空間だけ何か異質だよ。

 食欲旺盛なママがご飯を前に、しどろもどろしてるよ。

 しかもウチたちだけ別の席だし。

「た、食べましょうか。アメキチさん。」

「そ、そうだな……。」

「すでにいただいてるよ……。」

 いただきますを言って5分後の言葉がこれか。

 仕方がない大人たちのために少し場を盛り上げるべきね。

「それで2人はどういうなれそめだったの?」

「「え?」」

 いい大人たちがナイフとフォーク片手に顔真っ赤で照れるさまは、子供ながらに面白いとおもった。

「え、えっとね。最初は冒険社で旅をしているときにお兄ちゃんの実家に立ち寄ってアメキチさんと出会って……。」

「だ、大学時代にね、たまたまボクの所属していたラボにハナビさんが立ち寄って再会して……。」

「「……。」」

 なぜかかえって、ぎこちなくなってしまった。

 よくわからないけど、無言のままだ。

 あとなぜウチをちらちら見る?

 なんだか周りのみんな、無言のまま二ヤついた雰囲気もあるし。

「あの時のことは、本当に申し訳ないと思っているわ。」

「いや、謝られても……。」

 なんだかよくわからないや。



 ただこのぎこちない雰囲気はずっと続いてほしい。



 だってこっそりママとパパの料理をかすめ取れるから。

 実質ウチが一番得してる。

 ピザもお肉もおいし~!

 食べないなんてもったいないなぁ~!

 チーズがトロトロで~!

 あー美味しい!



 ママのお肉も食べちゃおー!

「……あ!こら!!ヨゾラ!!」

「げ!?」

 バレた!?

「ママのお肉を返しなさい!!」

 大変よろしくない!ママが本気で怒ってる!?

 食のことに関して、ママを怒らせたらめちゃくちゃ面倒くさい!

「こらこら~ボクのまで食べちゃダメだろ~。」

「アメキチさんもちゃんと怒ってよ!!ハナビのお肉食べられたんだよ!!ねぇ!!」

「あ、いや、育ち盛りだし……。子供のやったことだし……。」

「そんなの関係ない!!ハナビの楽しみを取ったの!!

人のものを取ったらダメなの!!」

「う、うん。」

 パパ、確か王木の里から物を盗んだからか強く言えてない。

「ボ、ボクので良かったらあげるよ。」

「そういうのじゃ……。

ありがたく貰うけど。」

 パパのおかげで何とかなった?

「あとで覚悟しなさいよヨゾラ。」

 こりゃウチ、あとで覚悟した方がいいかもな。




 

 ◇◇◇

 夕飯後、外、ネリィの視点。

 ◇◇◇


 

 夕飯後。パパンに呼び出された。

 しかもなぜか外に。

「ネリィちゃん、ママンは元気だったか?」

「まだ火傷が長引いているみたい。」

「……。」



 パパンは少しため息をして月を見る。



 パパンの目は少しうるんでいる。

「今日、ハナビちゃん達を見て新婚だった時のことを思い出したよ。

懐かしかった。」

「……。」

 でもママンと弟は今、火傷に苦しんでいる。

「僕はヒトメをサイムに合わせたらアルに頼んでセレスプルトへ帰ろうと思う。

奴の持つ『医』の歯車を使えばすべてが解決するはずだ。」

「その歯車はどんな歯車なの?」

「かつて旅をしていた時、崖から落ちた子供がいた。

その子供は頭から血が出るほどの大惨事だったんだけど、その歯車が治療を施しまったく縫い目すら見えないと言っていいほど、綺麗に縫い合わせることができた。

火傷だろうと何だろうと治療できる医術に特化した歯車だ。

アルは腐っても創造主だ。何とかしてくれるはずだ。」

 な、なるほど。

 パパンはやっぱりそのつもりで……。

「そろそろ旅の終わりも近い。

そこで、だ。」

 パパンはどこからか竹刀を2本取り出し構える。

「アルを何としてでもセレスプルトへ連れ帰るために、少し僕とトレーニングしてほしい。

前みたいに急に転送されないように、何か起こっても大丈夫なように。」

 竹刀を1本渡し、構える。

 なるほど、だから外に……。



 じゃあここからは本気で勝負。

「わかりました。」

「僕も君を娘と思わず竹刀と言えど本気で斬るつもりで戦う。

ネリィちゃん。君も僕を殺す気で一本取ってくれよ。」

「うん。成長した様を見せつけてあげるよパパン。」

「はは、楽しみにしてる。

それじゃあ……。」

 そういえば、パパンって確か剣聖に迫る刀の達人だって言っていたような……。

 本気を出してもらえるなら是非もなし。

 


「「よろしくお願いします。」」


 

 こうして竹刀を握り一心不乱に一本を取るために駆け出す。




 

 ただ結果を言うと、その夜はあまりにも力の差を思い知らされる夜になってしまった。



 ◇◇◇

 夕食後、ヒルの視点。

 ◇◇◇



「オラァ!!ユウくん出てこい!!」

「おかーちゃん落ち着いて!」

 やばいっしょ!!おかーちゃんお酒飲み過ぎて、おとーちゃんのところに突撃しちゃってるっしょ!!

 こういう時って、弟妹増える前兆っしょ!!

 おとーちゃん、家計でいつも苦しい顔知ってる身としては全力で止めなきゃやばいっしょ!!

 っていうか40代半ばのいい歳した大人が、節操をわきまえない姿をあちきは見たくねぇっしょ!!

「兄貴!そっちどうっしょ!?」

 ドアの向こうへ向かって叫ぶ!

 ドア越しに兄貴の声が聞こえる。

「逃がしただろだろ!」

「よし!」

「邪魔するなぁ~~!!」

 おかーちゃん酒臭い!

 この血が流れていることに、あちきは今、恐怖を感じてる。

「兄貴!合図したら羽交い絞めにして布団で拘束するっしょ!」

「りょ!」

「3・2・1!」

 あちきが手を放すと同時に、兄貴がドアの向こうから布団を広げておかーちゃんを受け止める。

「もごぉ~~!?」

「縛れ縛れ!!」

 兄貴と共に布団でおかーちゃんをぐるぐる巻きにして拘束し、女子部屋へ監禁する。

「「これで良し!!」」

 他の人らが帰ってくる前になんとかなって助かった。

 




 ◇◇◇

 就寝後、イチジクの視点。

 ◇◇◇




「ん~……。

おしっこ……。」



 ドアを開ける。



「……。」



 出た。手を洗って拭いて布団にもぐる。




 

「ん~?」

 あ、ヒーちゃんの布団だった……。

 べつにこのままでいっか……。

 ん……幸せ。



 

 

 ◇◇◇



『どう、ですか?』

『まだまだね!』

 あれ?この光景は?



 ヒーちゃん?



『もう、もう無理、です。』

『大丈夫!無理とか知ったことじゃないから!命とらぶパワーでぶちかましちゃいなさい!』

『ら、らぶぱわぁ~……?』

 なんだか視界が異様に悪いけど、ヒーちゃんがいる。

 なんだかヒーちゃんの身長が低く感じる。

 アタシが大きい感じもする?

 周りの景色はさっきとうって変わって、なんていうか小汚いスラム街みたいな場所だ。

『基礎体力的にもまだまだだよ!ほら!さっきおしえた技!』

 自分の視点が高くて、口から出ているのは聞いたことのない声だ。




 これは誰だ?

 

 


『は、はい!

武山流槍術!』

『脇が甘いのよ!甘ったれるなァ!高達流闘術!!』

 え!?ちょ!?ヒーちゃん!?



 な、なんでこんな……?



 



 ヒーちゃんのアッパーをくらい視界が暗転して目が覚める。




 ◇◇◇



 朝か……。



 へ、変な夢を見た、と思う。




 

 朝日が昇る中、隣でヒーちゃんはすやすやと寝ていた。

※ブックマーク、評価、レビュー、いいね、やさしい感想待ってます!

この物語の『更新』は現状『毎週金、土、日』に各曜日1部ずつとなります。



 ■■■ ■■■

本日のヒトメさんによる被害/買い物

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旅館の料理:ピザや牛肉のステーキがとにかく、がっつり腹にたまってよかった!(サイムのツケ)

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