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ほんとのほんとにお姫様みたい!

 武術大会が終わったら、すぐに試験だ。

 ノートをまとめなおし、暗記しまくって、ビシバシ頑張る。

 最後の最後で赤点くらうとか! 最悪留年してしまうとか! 全力で回避したい……

 春までは、小宮殿から魔導騎士団の本部に通われるギネヴィア様が、夜、勉強を見てくださった。

 でも、ギネヴィア様は「試験勉強」をしたことがないそうで、今更ながらびっくりした。

 さらっと予習して授業に臨み、その日のうちに復習したら、それでもうだいたい頭に入っているそう。

 試験前にノートを一周、見直すくらいで、成績はずっとトップクラス。

 いやいやいや、凡人はそれだけじゃ無理ですって!


 試験はなんとかかんとか終わり、私は総合32位だった

 目標の30位には一歩届かなかったけど、試験ナシの「異文化交流特論」はSを頂いたのでよかったってことにする。

 勉強が苦手で、ずっと赤点をくらっていたリーシャは、武術大会の追い込みもあったのに、なんと!最後の最後で赤点なし!で、みんなびっくり。

 謎に感動の輪が広がった。


 ヨハンナは、案の定筆記試験パーフェクトを維持して修了。

 でも、魔力がないヨハンナは魔法実習系の授業をとっていないので、総代にはなれない。

 本来は魔法を教える学校だから、仕方ないといえば仕方ないんだけど。

 総代はカール様のお友達に決まり、ヨハンナには特別賞が授与されることになった。


 魔導省の古い建物のホールを借りて、卒業式と卒業舞踏会が行われた。

 学院の伝統に則り、設営は生徒自身が行う。


 以前、ヨハンナに入学式の学院長の挨拶が長くて大変だったと聞いたことがあったけど、卒業式の挨拶もめちゃめちゃ長かった。

 しかも学院長、良いお声なのだ。

 学院の歴史とか有名な卒業生のお話とか、興味深いことをお話されているのに、ちょいちょい意識が飛んでしまった。


 舞踏会の方は、ガラテア様のドレスの中から、淡い紫のドレスを選んだ。

 エスコートしてくださるアルベルト様の濃紺の式服とも、いい感じに色が合う。

 卒業生としてワルツを踊って、1年生のフォーメーションダンスを見守って、ようやく卒業したんだなって実感がじわじわ湧いてきた。

 アルベルト様も、エドアルド様やカール様、アデル様とマクシミリアン様などなど、色んな人と気楽に話せて楽しめたようだ。

 エドアルド様による「婚約者以外と踊らずに済ませる方法」講座が、流れで開かれたりしたけれど。

 コツは「圧の強い笑み」で、「僕がウィラ以外と踊らないのは知ってるよね? 社交界の常識だよね?? 世界のことわりだよね!?」って暗に先制攻撃することらしい。

 笑顔で圧力をかけるだけならまだしも、笑顔一つでそんな複雑なことまで伝えるとか、久々に「お貴族様ヨクワカラナイ……」ってなった。


 とかやっているうちに、あっという間に年末。

 領主様ご夫妻が帝都にいらしたので、私も男爵邸に移らないとってなった時、アルベルト様が卒業祝いにって、新年の大舞踏会用の新しいドレスを贈ってくださった!

 ガラテア様のドレスのお直しを頼んでいる、バルフォア公爵家の衣装担当者に相談して、内緒で作ってもらっていたとか。


 せっかくだから試着して見せてとギネヴィア様がおっしゃって、二階の私の部屋でクリスタさんに着せてもらう。


 カナリアイエローのドレスで、スカートが三角錐のように直線的に広がって、切り替えも深いV字になっているから、ボリュームたっぷりなのにシュッとして見える。

 ドレスにもおそろいの長手袋にも、キラキラ輝く金糸の刺繍入りだ。


 すごい!

 我ながら、めっちゃかわゆい!

 そしてゴージャス!


「アルベルト様! 素敵なドレス、ありがとうございます!

 ほんとのほんとにお姫様みたい!」


 思わず、階下の居間に駆け込んでアルベルト様に抱きついてしまった。


「ゲルトルートの結婚式の時に、ウィラ達が黄色のドレスを着ていただろ?

 この色なら、ミナにも似合うんじゃないかって思ったんだ」


 照れ照れになったアルベルト様が、もごごっと説明してくださる。


「あらあら。わたくし達にもドレスをよく見せて」


 ディアドラ様に軽くたしなめられて、慌ててアルベルト様から離れる。

 くるんて回って、跪礼をしてみせた。


「まあ! ミナにぴったりね」


「元気で明るい感じがいいわ!」


 ギネヴィア様とディアドラ様に褒めていただいて、アルベルト様と二人でえへえへになった。


「恋の仕方もわからずに、ひたすらぐだぐだもだもだ妄想ばかり募らせていた叔父様が、こんなに素敵なドレスをミナに贈れるようになるだなんて……」


 ギネヴィア様は、アルベルト様の成長ぶり?に感涙されている。


「新年の舞踏会では注目を集めるでしょうから、ちょうどいいわ。

 このドレスを見れば、アルヴィンがどれだけウィルヘルミナを大切に思っているか、誰の目にもわかるでしょう」


 ディアドラ様はなんだか怖いことを笑顔でおっしゃって、二人であわわわわ……ってなる。


「大丈夫よ、ミナ。

 勝手なことを言っているような方がいるなぁと思ったら、その方達と視線を合わせて、にこっとしておけばよいの」


 ギネヴィア様が微笑みながらおっしゃる。


「に、にこっと……??」


「そう。そうすれば、皆、自分の立場を思い出してくれるわ」


 ほへーとアルベルト様と顔を見合わせる。


「ギネヴィア。それはもしかして、『にこっと』と書いて、『殺すぞ?』と読む的なアレなのか??」


 アルベルト様のツッコミに、ギネヴィア様は「そんな治安の悪いこと、わたくしが考えているはずがないでしょう?」と、ほんのりと黒さが透けて見える姫様スマイルを浮かべてみせた。


ギネヴィア「読者の皆様の世界には、ディズニー・プリンセスとかいうものがございますが、ミナは圧倒的に『美女と野獣』のベルだと思うので、黄色のドレスで正解!だと思うのですわ!」


BEAUTY AND THE BEAST (2017) Celine Dion & Peabo Bryson (Dance Scene) Disney+

https://www.youtube.com/watch?v=KUUxSrP3lnI


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☆★異世界恋愛ミステリ「公爵令嬢カタリナ」シリーズ★☆

※この作品の数百年後の世界を舞台にしています
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