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ゲルトルート様とミハイル様の結婚式

 週明け──


 お姉様方など、お世話になっている方々からお祝いの手紙や花束が朝一でたくさん来ていてびっくりした。

 セルト大公家のミカエラ様から、めっちゃ立派な花束と大公領の名産である貴腐ワインを2本、アルベルト様と私の生まれ年に合わせたものを贈っていただいて、またまたびっくりした。

 ミカエラ様は、夏は大公領で過ごされるとのことで、また来シーズンお会いしましょうというお言葉も頂戴した。

 

 さらに、登校したら、サプライズでみんなにめっちゃお祝いしてもらってしまった。

 ぶどうの実と葉をかたどった繊細な金線細工フィリグリーのパーツを連ねたネックレスを記念にと貰う。

 ヨハンナを中心にみんなでお小遣いとアイデアを出し合い、絵の得意な子がデザイン画を描いて、アントーニア様が公爵家御用達の工房で作らせたという世界に一つだけのネックレス。

 もう、めちゃくちゃ泣いてしまった。


 でも、ベルトラ書店の件はまだ許してないので!

 ヨハンナを、こめかみを拳で挟んでぐーりぐりの刑にしておいた。


 ていうか、お祝いのお返しの準備はそれなりにしていたけれど、学院のみんなにこんな風にして貰えると思ってなかったから、どうしよー!?ってなる。

 アルベルト様にお話したら、一度、私の友達に挨拶しておきたいとおっしゃって、あれこれ相談して、アルベルト様が軽く昼の席を設けてくださることになった。

 晩餐会とか舞踏会にしちゃうと、出席しにくい子もいるし。


 小さくしたお祭りクッキーも大量に焼いて、お土産の小物も用意して、授業終わりに、みんなで帝国大学倶楽部に行く。

 あじさいの花がたくさん咲いている中庭で開かれたのは、とにかくおしゃべりしたおすお茶会。

 最初はちょっと緊張してた子もいたけど、終わる頃には、アルベルト様もエドアルド様と同類かーってことになっていた。

 ちなみに、お祭りクッキー(小)は、女子には好評だったけど、ウラジミール様は「…無限に食べてしまうので、さすがにヤバい…」と微妙なコメント。

 ウラジミール様用は、これからも元の大きさで焼くね……




 先代陛下の喪で、皇族・貴族の祝い事の多くが中止されていたから、あちこちで結婚式が行われたり、婚約が発表されたりで、この年の初夏は大変なことになった。


 アデル様とマクシミリアン様のご婚約も、無事発表された。

 婿取りをするフィリップス子爵家は、大々的に婚約を披露するガーデンパーティーを開き、ギネヴィア様にヨハンナ、私も出席した。


 淡いベージュのデイドレスをお召しになったアデル様は、ほんとにお美しかった。

 ピシッと決めたマクシミリアン様と一緒に挨拶されるご様子も、しとやかで優雅。

 学院に入学したての頃、分厚い前髪で目元を隠していたお姿とは、完全に別人だ。


 会は、めっちゃ盛り上がった。

 ファビアン殿下からもお祝いのメッセージが来ていて、カール様が代読された。

 

 でも、今日はエレンとも会えるかな?と思ってたのに姿がない。

 そもそも学院を退学したと聞いて、びっくりした。

 カール様に、エレンはどうしているのか聞いても、教えてくださらない。

 元気にしているとは、もがもがおっしゃたけれど。


 実家に帰るとかなら、連絡してくれればよかったのにと思いつつ、7月に入ってすぐに、ゲルトルート様とミハイル様の結婚式!

 本当は去年の8月予定だったのが、1年延期ってなったのだけど、ミハイル様が一日でも早く!と泣き落として、1ヶ月前倒しになったのだ。


 午前中、両家で結婚契約書を交わし、昼前から、帝都に古くからある「花の神殿」で大々的に挙式、夜は舞踏会!という段取りだ。

 ギネヴィア様以下、私達友人枠?は神殿から。

 アルベルト様も、私の婚約者として一緒にご招待いただいた。


 花の神殿では、まず礼拝堂で女神フローラに愛を誓い、それから併設のホールに移って親族・友人を交えた食事会となる。


 数百人は入る、大きな礼拝堂にはゲストがぎっしり。

 騎士団の式服をピシッと着こなしたミハイル様が先に入場され、女神フローラの像の前で待つ。

 お祖母様の特訓のせいか、身体がさらに大きくなられて、ガチムチ度が増してる気がする。


 そこに、お父様のエスコートでゲルトルート様が入場された。

 デコルテから首元はレースで覆い、白い艶のある絹地に同色で総刺繍を入れた清楚&ゴージャスなウエディングドレスをお召しになっている。

 裳裾は後ろに3メートル近く曳くほど長く、頭から腰下までを覆うヴェールも刺繍ががっつり入ったゴージャス仕様。

 お美しすぎて、なんかもうくらくらした。


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☆★異世界恋愛ミステリ「公爵令嬢カタリナ」シリーズ★☆

※この作品の数百年後の世界を舞台にしています
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