表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

王族の魔法剣士って言ったよね

 トラックに轢かれたようだ.....


 視界は赤く染まり、体は痛みの信号をあげている....


 俺は藤沢善行(ふじさわよしゆき)35歳、アルバイトはしていたのでギリギリ無職では無い、もう一度言う無職では無い。実家が寺であり、父親は堅物。オタク文化にハマった俺の居場所はなかった。住職になるための修行に耐えかね、居場所を求めて.....家を飛び出したのは良かったが、世間にも居場所はなかった。飛び出して何年経ったのだろうか....結局定職にはありつけず貧乏生活を送る。女っ気どころか友人すらもいない、そんな中異世界小説に夢を見た。定番の剣と魔法の世界で、その世界の頂点、優れた剣技と魔法を操る魔法剣士になりたい。そして、王族になって人生スーパーイージーモードで高笑いしたい。


 ...、そんなことを思いつつ、ゆっくり瞳を閉じ意識を闇の奥へと......


 ............................

 ............................


 はっ!


 目を開けると青空と海辺が広がっていた。目の前には机と椅子があり相当年の行った老人が座っている。感覚が視覚と聴覚に限定されていて不思議な... いや、体が無い、目と耳だけになったしまった?ともかく、状況から考えるに、死後の世界的な奴だろう、異世界転生小説にありがちな奴!


 「お主よ..聴こーーいるか?」


 テンションあがってきた中、老人が皺だらけの口を開く。滑舌が酷い、取り敢えず返事しとこう


「はい!」


.........

.........


返事がない、ただの屍ではあるまい


「ねぇおじいさーん」


 手をメガホンにして(にしたつもりで)もう一回繰り返した。


「なんじゃ?まあ聴こーてーーーじゃーーう。早速ーーじゃがーー異世界ーーでー剣と魔法ーーーー世界ーー 」


 この老人、滑舌と耳両方悪い様だ。でも、異世界って単語は聞き取れたし、これは異世界転生チャンスっぽい!しかも、剣と魔法の世界!俺の望むやつ!。

 後は、異世界転生の定番なら自分のスペックも選べるのだろう。

 もう一回聞き返すのも申し訳ないし、ウッキウキで早くこの言葉を言いたい!ので言った。


「とにかく、最強な王族の魔法剣士にしてくれ!」


 だが、このジジイ。剣と魔法の世界には飛ばしてくれたのだが、王族の魔法剣士を聞き間違えやがった!


 目が覚めたら16歳の少年の体になっていた。そこは良し


 自分のいる家やベッドがボロかった。なんか嫌な予感が...、でも貧乏王族もいるから良し


 その後この少年が今まで歩んできた記憶が流れ込んできた。ここで両親が盗賊と判明、クソ


 その記憶には、魔法の才能がない事を示唆するものが含まれていた。おうふ、夢潰える。


 ともかく、俺は盗賊として生きていく事が決まった。

 

 おい、ジジイ。俺、王族の魔法剣士って言ったよね


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ