3/42
プロローグ
前置き。
それは、平和な日常の中で起こったことだった。
あるお姫様はこう思った。願わなければよかったと。
ある少年はこう思った。どうしてこうなっているのかと。
ある神官はこう思った。なぜこんな事態に陥っているのかと。
その悲劇は、突然に起こったことであったためにその場所にいた誰一人として反応することができなかった。突然現れた『ソレ』にどんどん命を刈られていく。『ソレ』がやっていることは、お姫様のためにやっていることだとは誰も気づいていない。
そして、この日、お姫様は姿を消した。『ソレ』連れ去らったのだと知っているのは、能力でこの様子を見ていた、死にかけの神官のみであった。
後にその悲劇は、『始まりの悲劇』と呼ばれることになる。その場所―――王都にての死者は、王都の人口の8割に及ぶ。その中には国王も含まれていた。
そして、この悲劇から3000年の時が過ぎた―――
ありがとうございました。






