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プロローグ

好きだった。

どうしようもなく惹かれて、どうしようもなく気になって。

もっとそばにいたくて。もっと仲良くなりたくて。

他の誰よりも・・何にも代えがたい唯一無二の彼。


自分は恋をしてはいけない身だったのに・・。


「・・っ」


巫女は胸元を抑えて苦痛に顔をゆがめた。

息が苦しい、辛い。痛い。

心臓が握りつぶされるような苦痛を感じて軋んでいるようだ。


巫女は恋をしてはいけなかった。

長年敵対している魔女から唯一解けない呪いをかけられたからだ。


どんなに魔法に優れていても、どんな術式をも解ける才をもっていても、

解けず匙を投げるほどの。


それは、


恋をすればするほど、

その想いが報われなければその分だけ、命を削る呪い。


片想いが許されない呪い、だった。


「巫女、この国で最高位の巫女よ!

己に与えられた平等の枷を恨め!憎め!そのための呪いだ。

この世に平等はない、あるのは不平等で醜い心をもつ民衆どもだ!

巫女が平等を葬ったその時、この国は滅ぶだろう!」


魔女の筆頭である大魔女が呪いをかけたと同時に叫んだ言葉だった。



***


魔獣の跋扈する弱肉強食の世界で、人間は無力な生き物だ。

魔獣の放つ瘴気に耐えられない。魔獣は邪悪なる魔力とその牙で人間を襲う。

そんな世界の中、不浄なものを清め弱きものを救う、

平等を信条とする巫女の一族が王国アモーレを築き上げた。


アモーレ王国は巫女の一族によって、

魔獣からの襲撃から守る結界を張り、人間にも魔獣に対抗する術を発展させる。


一方で、その魔獣たちを己の魔力で支配し、傘下におさめる一族がいた。

それが魔女の一族である。

魔女は元は人間だ。しかし巫女と違って人間の心に潜む醜い部分を人間の真理だと疑わない。


平等を信条とされ、それによって作られた王国を魔女は迫害していた。


これは、魔女に呪いをかけられた巫女の恋の物語。


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