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まもりの紅  作者: レッド
1/4

彼と彼女の転換点 ー1ー

出会いは突然に、だなんていうけれど、彼女とのそれは本当に突然だった。


なんというか、そうーーその邂逅は空から降ってきたのだ。


別にこれは比喩とかではなく、本当に彼女が“降って”きた。

もうそれは、俺の真上にズドンと。



泣きそうな顔で謝る彼女と、その下で目を回す俺。

そんな突拍子もない出会いから、この昔話は始まる。



ーーーーーー

陽射しも柔らかく、春が始まりを告げ始めた三月のとある日。


今年から晴れて新大学一年生になる田原耕一は、親元を離れこの街で一人暮らしを始めることとなった。



その記念すべき初日、つまりは今日。

一人で生活するにあたって必要なものーー荷造りの際に入れ忘れたものや、今日の食料などを手に入れるべく、耕一は街へと繰り出していた。


付近の探索も兼ねて二、三時間ほど歩き回り、なかなか自分好みのマグカップや、少し高めの箸、今晩の食糧などを手に入れることができた。


そして新生活に胸を踊らせ、ほくほくとした気分で歩く夕焼けに照らされた帰り道。




「ーーーーぅぁぁぁぁぁぁあああ!!!」


「……ん?」




どこかから聞こえてきた絶叫に耕一は立ち止まった。

何だ何だと周囲を見回すが、辺りに人影は無い。

しかしどうにも悲鳴の主は近づいてきているようで、次第にその声は大きくなっていく。


どういうことかと首を傾げた彼。

不意にその頭上に影が差したかと思えば、突然ガツンと鈍い衝撃が耕一を襲った。



「きゃぁあ!!?」


「がっ?!」



あまりのことにそのまま重力に従って倒れこんだ耕一。

遠くなる意識の中、何かが割れたような音と。



「いたた……え、やだっ嘘、人!!? ご、ごめんなさいごめんなさい!!!大丈夫ですか!!!?」


誰かが必死に謝る声だけがやけに耳に残っていた。


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