第三章 変わり始めた世界
新年明けましておめでとうごさいます。
昨年の暮れから書き始めた新年まで延びてしまいました。
それでは、第三章の開幕です!!
「…う…ん?もう、朝か…」
窓から朝の眩しい日差しが差し込んできた。
また、いつもの日常が始まると思うとやっていられない。
それでも、俺は学校に行き続ける。
あいつらがいれば、単なる日常が面白く感じられるはずだから。
いつもの通学路歩いていると…
「あ…和也くんおはよう」
いきなり月島が路地から現れて驚いた。
「月島…。なぜここにいるんだ?」
しかも、なぜいきなり出てくるのだ?
「えっ?え…っと…いつも一人で登校しているよね?一人だと寂しいと思うから今日から一緒に登校しようと思って…」
確かに…俺は、いつも一人で登校している。
その事で俺は寂しいとか悲しい気持ちにはならない。
両親が死んで…ほぼ一人で生きてきたからそういう気持ちにならない。
でも、まあ一人で登校するよりもいいよな。
「俺は別に構わない。あとは、月島の判断だ」
そういうと付いて来たから一緒に登校することになった。
月島は俺に対して話してかけてきているが、朝の俺は貧血気味。
だから頭が上手く回らないから返答が安易になるが、月島は気にしていないようだ。
学校に着くと隆介が教室にいた。
いや、言葉に語弊があった。
いたというより机に突っ伏して寝ている。
学校に来て寝ているのか。
眠くなる気持ちは分かるが…やはりここは起こすべきだろう。
俺は隆介の脳天にチョップを喰らわそうとしたら…
がばッ!!
いきなり起きた…。
「ふあぁぁぁぁぁ〜…あ、おはよう。今日は二人で登校してきたのか?」
「あ…あぁ。そうだが…それがどうした?」
「此間、言ったことを早速実行か…いっひひひひひひ」
「実行……?一体何を実行?」
「おいらじゃねぇよ。」
「じゃ…誰が…?」
「さあ…誰だろうね〜…」
隆介は薄気味笑いをしながら、誰かとは教えてくれなかった。
薄気味笑いしている時、月島が赤くなっていたが、なぜ…?
単なる日常でもいつもの日常ではない。また違う日常が起き始めているだろうか…。
午前の下らない授業が終わりお昼になった。
いつもの俺は何も食べない…稀に100円で済ます事がある。
だが、今日は何も食べない。
そう決めて、何も考えずにボーッと空を見ようとしたら……
「和也くん?」
月島が話しかけてきて
「もしかして今日の昼ごはん食べないの?」
「あぁ…。食べなくても大丈夫だから。」
「でも、それは体に良くないよ。…だから私持って来たよ」
「…持ってきた?…何を?」
「お弁当…だよ」
月島は俺なんか為に弁当を持ってきてくれたそうだ。
それは、嬉しいことだが迷惑はかかっていないのだろうか?
それを言おうとしたが…
「私は、好きで作ってきたから迷惑はかかっていないよ」
と言われてしまった。付き合いが長いから分かるのか。
だけど、俺は食べるわけにはいかない。
でも、食べないと…いや…しかし…そうだ!
「おーい。隆介。」
俺は売店で買ってきてパンをモグモグ食べている隆介を呼んだ。
「何だ?」
「ここにある弁当食べていいぞ。」
「えっ?!いいのか?」
「ああ。いいぞ。」
「それではありがたくいただきます!!」
「あっ?!…っ!」
「どうした?月島?」
「ううん。何でもないよ…。」
月島は何か言おうとしたら隆介が食べ始めた時に口ずさんでしまった。
隆介が食べ始めた後、月島が隆介を鋭い目付きで見ていた。
食べ終わった後、月島が隆介を教室の外に呼び出して出て行った。
昼休みの終了チャイムが鳴る寸前に2人とも帰ってきたが…
隆介は恐ろしいものでも見たのだろうか…顔色が優れない。
一方の月島は、何もなかったのような平然とした顔つきだった。
隆介に一体何があったのか……あまり考えたくない…。
午後の授業も「光陰矢の如し」ように過ぎ去っていた。
放課後になり、帰ろうとしたら…
「バンッ!!」
「せんぱ〜い!!一緒に帰りましょう!!」
後輩の琴音が勢いよくドア開けた為「ミシッ!」と音がしたが…触れないでおこう。
「琴音…。もっと静かに教室のドアを開けて入って来い。」
と言うがあの琴音だ。言っても無駄だと思った。
実は、昔に…いや言いたくない。機会があればいつか話そう。
「そんなこと気にしていたらハゲてしまいますよ?」
「俺はそんなに年をとっていない。それに勝手にハゲると言うな。」
「そんな冗談をおいといて…一緒に帰りましょうよ〜」
冗談なのか?これは言葉の暴力ではないのか?
まあ、俺にはこの後用事はないし琴音が一緒に帰ろうと言っているから―
「分かった。帰ろう。」
実は了承した理由は、もう一つある…。琴音は断ると駄々をこねるからだ。
そのような行為を教室内でやられると……。
風が吹く。
時を進めようとして吹くのか。それとも勇気を出す風もあるのか。
俺の傍らには琴音がいる。
教室では元気だったのに沈黙してしている。
それにどうも様子がおかしい…。
「琴音…。どうかかしたのか?さっきから何かおかしいぞ」と尋ねた。
「…………。」
琴音は何も発しない…聞こえていないのだろうか。
いや、俺が琴音の声が聞こえないのだろうか。
「…先輩。」
「何だ。琴音。」
「先輩って…」
「……。」
「先輩には…好きな女の子は…いますか…?」
それからどれだけ時が進んだろうか…
俺が感じるには長く感じたが、時の感じ方は人それぞれ。
時が進まないで、俺はすぐに答えていたと思う
「いない。」
「どうしてですか?」
琴音の顔はいつもの明るい笑顔ではなく、真剣な目と顔つきだった。
「理由が必要か?」
「何かあるのでしたら、無理には答えなくても…」
「理由はある。だから言いたくないから言わない。」
「分かりました…。」
聞きたいのだろうか。顔が悔やんでいそうな表情だ。
でも、「あの事」は自分でも言いたくない。
その後は、琴音は何も言わず、途中の道で別れた。
自分の家までは一人の帰路になった。
「ふぅ…」
俺は手に持っていた通学用鞄をベッドに放り投げ俺も飛び込んだ。
「好きな女の子…。」
琴音が言ったのが頭から離れない。
「ヴィィー…ヴィィー…ヴィィー…」
携帯のバイブレータ音が鳴った。
そういえば、マナーモードのままだったな…。
電話で隆介からだ。
「ピッ!! もしもし?俺だ」
「よう、和也。っとその前にいきなりオレオレ詐欺みたいなことから言うなよ」
「それじゃ何と言えばいいのだ。」
「おい。真に受けるなよ!そんなことはどうでもいいんだよ」
「何だ。それで用件は?」
「お前ってさ…女の子を好きになったことがあるか?」
ドクンッ!!
隆介が言ったことに俺は動揺してしまった。
「いや!ないが…」
上ずった声を出してしまい、隆介に感ずられてしまいそうだ。
「うん?今、上ずった声が聞こえたが……まあいいや。」
どうやら大丈夫のようだ。
「俺から言うのもあれなんだが、少しは凛ちゃんと琴音ちゃんのことを考えてあげろよ」
隆介は一体何を言っているのだ。月島と琴音について考える?
「なぜ月島と琴音についてなんだ?」
「やっぱり…お前って奴は……!!」
なんだ?怒っているのか?怒らせそうなことは言っていないと思うが…
「…まあ、本人が気づいていないのは仕方ない」
なんか納得している感じだ。
「じゃ、ストレートに言うからな。凛ちゃんと琴音ちゃんは…」
月島と琴音は…
「お前…つまり新堂和也が2人とも好きなんだよ」
…はぁ!?
「いいか!?2人ともお前のことが好きなんだ!!それを考えろ!!」
「…えっ…えっ…」
「それをどうするかはお前次第だ。それじゃあな。」
「プー…プー…プー…」
電話は一方的に切られた。
2人が俺のことが好きということは初めて知った。
俺はその気持ちに応えられることが出来るのか…。
無理だ。俺はそういうことは考えられないのだ。
親父とお袋が死んでから、俺は誰も不幸させてはならないと決めたからだ。
俺は真っ暗な空みたいに明るくない。
でも、逆にその気持ちに応えてあげないのは彼女達の不幸に入るのだろうか…。
分からない…。どの選択が良いのだろうか…。
いや…どの選択も俺が導き出す答えに逃げているのではないだろうか。
俺は、考え続けていたら急に意識が途絶え始め…眠りの世界へ…入っていった。
どうでしたか?何かありましたらお願いします。
次話を書こうとしているですが…私の都合が合わなくて中々書く時間が取れません。
出来れば1月の間に投稿しようと思っています。
※1月中には投稿が出来ませんでした。
現在第4章の製作に取り掛かっています。
完成予定は私の努力次第です。
もう少しお待ちいただきます。
お楽しみ方々には大変申し訳ございません。